著者
古川 健次 仲田 晋
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.1K2OS2b02, 2018 (Released:2018-07-30)

日本のアニメ作品ではコスト削減やクオリティ向上などの理由から, 3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)を用いることが多くなってきている. しかし,日本の作画アニメは独自の動きをするため,3Dキャラクタで動きを再現するのは難しい. 特に3Dキャラクタの髪で,作画アニメの髪の動きを再現するには,物理演算などの手法は違和感が出て使えない. 本研究の目的は,作画アニメの髪の動きを,3Dキャラクタの髪で自動生成できるようにすることである. 本研究では,作画アニメで髪をなびかせるときに使われている代表的な手法をモデル化し, 3Dキャラクタで髪のモーションを自動生成できるようにした.
著者
山本 真嗣 長谷川 恭子 仲田 晋 田中 覚
雑誌
じんもんこん2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.243-248, 2011-12-03

本研究は,祇園祭の山鉾の一つである船鉾を対象に3次元モデルの構築を行い,そのモデルの利用と可能性に関して検討を行う.船鉾は,普段は部材に分解されて船鉾収納蔵などに保存されており,毎年の祇園祭の際に組み立てられる.部材の組み合わせ方やその工程は一つの文化であり,それをデジタルアーカイブとして残すことには大きな意味がある.したがって,本3 次元モデルは,各部材ごとに内部まで精密にモデリングし,そのモデルを利用して,制作工程や内部構造をデジタル化することを目的とおいている.また,船鉾のような複雑な形状の文化財は,死角となる部分も多く,祇園祭の際でしか完成形の姿にならないため,各視野から観測できる3 次元モデルはとても有益と言える.
著者
植村 誠 松田 洸一 山本 真嗣 長谷川 恭子 仲田 晋 田中 覚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.382, pp.311-316, 2011-01-13

本研究では,レーザ計測によって得られた祇園祭・船鉾の三次元点群データに対して,新開発の「粒子べースレンダリング」を適用することで,船鉾の三次元構造を高品質かつ分かりやすく半透明可視化することを目的としている.半透明可視化では写真や実物では見ることのできない内部構造を明確に提示でき,これを粒子べースレンダリングで可視化することで,従来のポリゴン化を必要とした半透明可視化に比べ,以下のような利点がある:(1)ポリゴン化による取得点群の損失(間引き)が発生しなくなる(2)ポリゴンのソート処理が必要ないため,生成ポリゴンに交差や接触がある場合の不正確な可視化が行われず,取得,点群の正確な半透明可視化が実現できる.(3)構造の輪郭部が強調され,立体感のある半透明可視化が可能.本報告ではレーザ計測で取得した船鉾の外周,車輪,車軸の三種類の点群データを統合したモデルに加え,モデリングソフトにて作成した人工的なポリゴンモデルを船鉾の内部に配置し,粒子べースレンダリングにて全体の構造を可視化した結果を報告する.