著者
宮本 忠吉 仲田 秀臣 大槻 伸吾 伊藤 剛 中原 英博
出版者
公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
雑誌
デサントスポーツ科学 (ISSN:02855739)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.233-242, 2022-06-20 (Released:2023-04-09)
参考文献数
21

本研究は,システム生理学的研究手法を用いて週一回の高強度インターバルトレーニングが呼吸化学調節系のフィードバック制御機能や心形態・心機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的と した.対象は健常男性7名.トレーニング前後で最大酸素摂取量(VO2max)及び心形態の測定評価を行った.また安静時,低強度,高強度運動時の各々の条件下にて,呼吸化学調節フィードバック系をコントローラ(制御部)とプラント(制御対象部)の2つのサブシステムに分離した後,定量化し,それぞれの機能特性をトレーニング前後で比較検討した.高強度インターバルトレーニング後のVO2max(+9.5±7.5%)及び左室後壁厚(+17.9±8.6%)はトレーニング前と比較して有意に増加した(p < 0.01).また,トレーニングによって高強度運動時のコントローラ特性曲線のリセッティングが生じ,プラント特性(双曲線)の比例定数の増加及びx軸漸近線の値の減少が認められた(p < 0.05).本研究から,週一回の高強度インターバルトレーニングは最大呼吸循環機能を向上させるだけでなく,高強度運動時における呼吸化学調節系の機能特性を特異的に変化させること,制御部特性の機能的変化が,高強度運動時の換気抑制の主たるメカニズムとして動作していることが判明した。
著者
三野 耕 大賀 康宏 仲田 秀臣
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学人間環境論集 (ISSN:13472135)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.53-63, 2012-03

本研究の目的は,高校駅伝に出場予定の長距離選手の走スピードを加味したパワーの評価についてである。対象とした選手は,男子第61回および女子第22回全国高校駅伝に出場予定の47都道府県の代表校で男子454名および女子345名である。各選手の身長,体重および男子では5,000m走の記録,女子では3,000m走の記録を資料とした。体表面積は,身長と体重から藤本の方法で求めた。比体表面積は,体重に対する体表面積の割合で求めた。その結果,男子で power/s=22.3s^-3.11 ,女子で power/s=28.4s^-2.76 が得られた。また,男子では, log (power)= -1.1428・logS+1.5372・logW, 女子では, log (power)= -0.8285・logS+1.2434・logW が得られた。高校長距離選手の理論式を用いて得られた走スピードを加味したパワーの理論値は,実測値のパワーを評価できることが示唆された。