著者
北川 浩 中谷 彰宏 仲町 英治 渋谷 陽二
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1992

金属多結晶材料の破壊は,ミクロスケールでの原子結合形態の破綻が,様々なメゾスケールの不均一内部構造とダイナミックに作用し合って伝播・拡大し,マクロ的な破面を形成する過程である。本研究では,このような破壊現象に力学的な視点に立った実体論的検討を加えた。具体的には,分子動力学(MD)シミュレーションによる原子スケールでの動的構造解析からき裂の発生・伝播の最も基本的な素過程についての知見を獲得し,転位論および結晶塑性モデルをベースにした連続体力学解析結果と対比させることにより,ミクロ/メゾ/マクロにわたる結晶構造材料の強度特性の基本的検討を行った。得られた主な成果をまとめると,(1)MDシミュレーションにより,(1)転位や双晶構造の相互干渉により生じるき裂発生過程,(2)fcc-Cu,bcc-FeをモデルとしたモードI,II,III型荷重下のき裂先端原子の動的構造解析,とくに延性破壊の結晶方位,温度依存性,(3)粒界構造と格子欠陥の相互干渉作用,(4)粒界近傍での拡散特性の温度依存性などを明らかにした。(2)連続結晶塑法モデルを,転位運動の現象論的カイネテックスを組み込めるように精緻化し,有限要素法によりき裂先端の変形場の解析を行って,原子モデルシミュレーション解析結果をその実体的なデータとみなして,ミクロ的な応力の意味,せん断帯の形成のミクロメカニズムの検討を行った。(3)MDシミュレーションに用いた原子間ポテンシャルの妥当性とその限界を検討するため,超格子法に基づくバンド構造解析および分子軌道法をベースとするクラスタ構造に対する,いずれも第一原理計算を実施した。(4)走査型トンネル顕微鏡によるHOPG材表面に見られる原子レベル段差構造,き裂,格子欠陥の構造の大気下での観察を行って,結晶材料の強度を律している微視的基本構造の計測を行った。
著者
NAKAMACHI Eiji NAKAGAWA Masaki KIMURA Ryohei MORITA Yusuke ナカマチ エイジ ナカガワ マサキ キムラ リョウヘイ モリタ ユウスケ 仲町 英治 中川 昌紀 木村 涼平 森田 有亮
出版者
同志社大学ハリス理化学研究所
雑誌
同志社大学ハリス理化学研究報告 = The Harris science review of Doshisha University (ISSN:21895937)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.11-18, 2017-04

本研究では自動穿刺装置の組み込みを目的として,近赤外光による光切断法を用いた前腕静脈位置計測システムの開発を行った.近年,看護師の不足や技術不足による採血の失敗が問題となっている.採血の対象となる細い静脈や皮下脂肪に覆われている静脈などは,目視で発見することが困難である.そのため,神経損傷および静脈貫通などを誘発する.よって,採血時の静脈探索システムや自動採血システムの開発が強く望まれている.先行研究で仲町らはステレオ合焦点ハイブリット計測法を用いて,手指の自動採血システムの開発を行った.本研究の新規性は従来の手法と比べ高速かつ使用しやすく,高精度なシステムの開発である.本研究では近赤外光によるスリット光を走査することにより静脈のイメージ画像を得る.また,画像処理により鮮明な静脈画像を取得した.さらに,光切断法により血管中心までの距離および血管径の計測を行い血管径に対して10%の計測誤差を達成した.In this study, we developed a comprehensive biomedical optics device to detect the three-dimensional (3D) position of forearm veins by using the light-section method with near-infrared (NIR) light to execute automatic blood sampling. Now, there still remain the demands to develop "easy to use" blood sampling system for the deteriorated blood vessel caused by metabolic syndrome and aging. It is also difficult to find a vein of infants and obese people because the vein is thin and covered with thick subcutaneous fat for injection. Thus, there have been strong demands to develop a vein detecting and automatic blood sampling system. In the previous study, Nakamachi et al. detected vein positions in the finger by employing the combination of auto-focusing and stereo methods with NIR light. Our newly developed device was characterized as a quick, user-friendly, and highly accurate system for vein detection. In this study, by using the slit light with an NIR wavelength, the scanning image of the vein was taken. We succeeded in clear visualization of the vein using the image processing to improve the sharpness. We measured distance from the forearm surface to the center of the vein by using light-section method and vein diameter, found that the errors were less than 10% of the vein diameter, which was the tolerance threshold value of error.