著者
辻本 裕一 谷 優 山道 岳 辻村 剛 中田 渡 任 幹夫 辻畑 正雄
出版者
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.116-119, 2019 (Released:2019-07-27)
参考文献数
6

【目的】大阪労災病院で入院加療を行った結石性腎盂腎炎に対して臨床的検討を行った. 【対象・方法】2007年~2018年の73例をステント留置の有無に分けて比較検討を行った. 【結果】ステント留置無し (27例) のほうが有り (46例) より有意に結石最大径が小さく (7 vs 10 mm, p=0.0393), WBC (12000 vs 15900, p=0.0428) と好中球数 (9354 vs 11882, p=0.0199) が少なかった. 全身状態が悪い4例はステント交換のみ, 残り69例は自然排石14例, ESWL32例 (5例がTUL追加), TULのみ22例, 腎摘1例であった. 73例中61例 (84%) がstone free, 69例 (95%) がstent freeとなった. 【結論】従来からの治療方針は有用であると思われた.
著者
奥田 ゆり子 河鰭 憲幸 任 幹夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.67-71, 2023 (Released:2023-02-24)
参考文献数
11

早期からの緩和ケアの導入を目指し,大阪労災病院(以下,当院)では緩和ケアスクリーニングに積極的に取り組んでいる.当院緩和ケア科は漫然とルーチンをこなすのではなく繰り返し評価して改善していくことを重視しており,本邦で日常診療における緩和ケアチームの評価,さらに次の施策を検討した文献に乏しいこともあり,当院入院患者のスクリーニングの結果,施策をどう設定したのか,現状評価と今後の課題について後ろ向きに分析した.緩和ケアチーム介入があった91人はスコア上,すべての症状で改善がみられた.しかし,それが緩和ケアチーム介入自体の効果かは評価できなかった.また,チーム介入できていない患者の存在も示され,対象患者がもれなくチーム介入を受けるためには工夫が必要であると考えられた.スクリーニングは緩和ケアへつながる一つのきっかけにすぎず,今後は緩和ケアチームが患者のために病院全体のセーフティネットとして機能する体制づくりが必要であると考える.