著者
横山 竜海 翁 武銀 任 恵峰
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.196-203, 2020-05-15 (Released:2020-05-29)
参考文献数
31
被引用文献数
1

低利用資源であるかつお節出汁殻を高付加価値利用するため,出汁殻を異なる濃度の塩酸で分解し,塩酸濃度が粗タンパク質回収率,分解液の栄養性・呈味性・機能性に及ぼす影響を分析した。粗タンパク質回収率とアミノ酸量は4.0-6.0 mol/L塩酸で最大,分子量180-500の含有量とDPPHラジカル消去活性は4.0 mol/L塩酸で最大,ペプチド量と抗変異原性は1.0-6.0 mol/L間で有意差はなかった。低分子ペプチドを最も多く含有すると思われる4.0 mol/L塩酸による分解が至適であると示された。
著者
横山 竜海 翁 武銀 任 恵峰
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.196-203, 2020
被引用文献数
1

<p> 低利用資源であるかつお節出汁殻を高付加価値利用するため,出汁殻を異なる濃度の塩酸で分解し,塩酸濃度が粗タンパク質回収率,分解液の栄養性・呈味性・機能性に及ぼす影響を分析した。粗タンパク質回収率とアミノ酸量は4.0-6.0 mol/L塩酸で最大,分子量180-500の含有量とDPPHラジカル消去活性は4.0 mol/L塩酸で最大,ペプチド量と抗変異原性は1.0-6.0 mol/L間で有意差はなかった。低分子ペプチドを最も多く含有すると思われる4.0 mol/L塩酸による分解が至適であると示された。</p>
著者
包 航 任 恵峰 遠藤 英明 高木 敬彦 林 哲仁
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.591-597, 2002-09-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

16種のフラボノイド自身の変異原性と抗変異原性を前進突然変異試験法を用いて検討した.活性を検出した11種について未加熱,単純加熱,混合調味液添加後の加熱による活性の変化を調べた.(1) カテキン,エピカテキン,ヘスペリジン,ネオヘスペリジン,ネオヘスペリジンデヒドロカルコンの5検体は,変異原性・抗変異原性ともに全く示さなかった.(2) 残り11種フラボノイドの中で,バイカレインなどのように抗変異原性のみを示すものもあれば,ケルセチンやモリンのように変異原性と抗変異原性の両方を示すものもあった.(3) これらの活性に対する影響は加熱そのものより,むしろ調味料の存在の影響の方が大きかった.(4) 調味料添加条件下での加熱で著しく変化したのは,S9存在下で測定した抗変異原性であった.
著者
任 恵峰 高木 敬彦 包 航 後藤 純雄 遠藤 英明 林 哲仁
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.460-464, 2000-06-15
被引用文献数
2 3

Many reports on anti-mutagenicity have been made with vegetables cultivated by an ordinary manner (OV). This paper presents the results of anti-mutagenicity study of organically cultivated vegetables (OCV), using water soluble chitosan for soil improvement and leaf surface spray, in comparison with that of OV. Their anti-mutagenicity were evaluated by the forward mutation assay using <i>Salmonella typhimurium</i> TM677. A clear difference between the juices prepared from OCV and OV was observed in the ability to inhibit the mutagenicity of authentic mutagenic compounds, 4NQO, BaP, and Trp-P-2.
著者
任 恵峰 包 航 遠藤 英明 林 哲仁
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.246-252, 2001-04-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
10
被引用文献数
6 15

水溶性キトサンを用いて土壌改良を行うと共に,希釈水溶液を葉面散布剤として用いた,無農薬有機栽培野菜の抗酸化性・抗菌性およびフラボノイド含量について検討した.1) 抗酸化性:8種の無農薬野菜のうち,ホウレンソウ,コマツナ,チンゲンサイ,キャベツ,ネギ,およびプロッコリの6種では,一般野菜と比べてt検定の危険率5%で有意差が認められた.2) 抗菌性:コマツナはサルモネラに対して,キャベツおよびダイコンは腸炎ビブリオに対して,一般野菜より強い抗菌性を持っていた.3) フラボノイド:ミリセチン,ケルシトリン,ヘスペリチンの3種は,いずれも2種以上の野菜で無農薬栽培品における濃度の方が高かった.中でもケルシトリンはキャベツ,ブロッコリー,ダイコン以外の全検体から検出され,しかも総て無農薬栽培野菜の方が1.3倍-10.4倍高く,95%の信頼限界で有意差が認められた.
著者
笠根 岳 岡田 美緒 遠藤 英明 任 恵峰
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.826-835, 2015 (Released:2015-10-16)
参考文献数
20
被引用文献数
1

かつお節加工残滓を安全かつ有効に利用する研究の一環として,まず加工残滓の熱水抽出液に PAHs を合計 3217 μg/L 添加したモデル試料の活性炭による PAHs 最適除去条件を有用成分への影響も考慮しつつ検討した。その結果,PAHs 除去率は最大 99.6% であったが,活性炭の種類による影響が大きかった。続いて,市販品の黒粉 2 種を熱水,エタノール,酢酸エチルで抽出し,PAHs 浸出量を分析した。エタノール抽出で PAHs が最大 12823 μg/L 浸出し,市販品にも高濃度の PAHs が含まれていることが分かった。