著者
大矢 一人 伊井 義人
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.17-26, 2009-03

実施より丸10年を経過した介護等体験について、藤女子大学の総括を行う。11年間での実施者数は約900人であり、その人数は最近減少傾向にある。お世話になった特別支援学校数は26校となった。また社会福祉施設数はのべ700以上となり、施設での体験実施は夏に集中している。事前指導は、少なくとも初期に比べれば丁寧になっており、他大学と比べても遜色はない。しかし現実には、いくつかのトラブルが発生してきており、その事例を紹介した。また、他大学との違いを事前指導のあり方とともに実施時期の点から行い、執筆者自身による介護等体験の経験についても述べた。最後に、今後の課題として、事前指導のさらなる検討と実施時期について触れた。
著者
伊井 義人 中村 伸次 岩崎 遥 西川 絵梨 足立 瞳 深澤 麻依 外川 茜
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.77-90, 2013-03-31

本論では、今年度で二年目を終えた藤女子大学の学生による石狩市立厚田中学校での学習支援(スクール・アシスタント・ティチャー:SAT)事業の現状と課題、そして将来的な展望を報告する。厚田中学校は、藤女子大学花川校舎から車で50分ほどの海岸部に位置する全校生徒22名の小規模校である。そこで主に教職課程を履修している大学生が、中学校教員や保護者と協力しつつ、数学や家庭科などの授業、学校行事の面で、生徒と触れ合い、多様な学習支援を行なっている。本論は、大学・中学校側のSAT担当教員だけではなく、実際に学習支援に参加した学生の視点から、今年度を振り返り、来年への展望を述べている。現状分析としては、1. 学校行事(学校祭・餅つき大会・卒業式)への参加、2. 地域との関わり(ピザ教室)、3. 学生主体の連絡調整が促進されたことが、今年度の成果といえる。その一方で、依然として、遠隔地域での学習支援という特色上、1. 厚田への交通手段、それに伴う2. 学生の時間の確保が課題として残った。しかし、来年度(2013年)は、厚田中学校での学習支援を経験し三年目の学生も4年生として在籍するため、SAT事業の継続性・発展性を視野に入れた、彼女たちの集大成に期待したい。なお、今年度のSAT事業は、石狩市教育委員会の予算と共に、藤女子大学QOL研究所からの補助金を通して、運営された。
著者
伊井 義人 青木 麻衣子 Yoshihito II AOKI Maiko 藤女子大学人間生活学部人間生活学科 北海道大学国際本部留学生センター
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要. 第2部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
no.49, pp.1-9, 2012-03-31

Thursday Island, located to the far northeast of Australia and made famous in Japan by Shiba Ryotaro's novel "Mokuyo-To no Yakai" (the night meeting on Thursday Island), once had a population consisting of 60% Japanese. In the Meiji period, in particular, many youths from the coastal area of Wakayama travelled to Thursday Island with the dream of striking it rich as a pearl diver. Although production gradually decreased, the pearl industry on Thursday Island continued to operate through to the Pacific War. However, at the outbreak of the war, most residents from Japan or of Japanese descent were confined in internment camps on the Australian mainland, and those without family in Australia, were forcibly repatriated to Japan after the war. Now, only a few families of Japanese descent remain living on Thursday Island, and it seems that the memory of the time when many Japanese emigrants lived on the island is fading. In this study, our aim is to gain a detailed understanding of the "perspective" of the Japanese emigrants on Thursday Island via an analysis of historical documents and previous studies. Further, we aim to show the multi-faceted and 3-dimensional nature of the lives of the Japanese emigrants on the island before and after the Pacific War by superimposing this "perspective" onto the individual life of Tomitaro Fujii.