著者
小寺 隆幸 浪川 幸彦 小田切 忠人 伊禮 三之 井上 正允 梅原 利夫
出版者
京都橘大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

PISAの数学的リテラシー論の枠組みと調査問題を分析し、さらにPISAに影響を及ぼしたニスによるデンマークの数学教育改革について研究した。PISAの数学的リテラシーは単なる活用ではなく、現実の問題を数学化して考える能力であるが、テストで測りうるのはその断片にすぎない。重要なことはテスト結果ではなく、現実の問題と向き合い、思索し、仲間と対話をする授業を創造することである。日本には量を基礎にする数学教育の豊かな蓄積があり、それを発展させることが求められる。ただこれまでは全員が共通の目標を目指してきたが、授業の中に個々の子どもの数学的コンピテンシーを伸ばすという視点をも位置づける必要がある。