著者
伊藤 三千代 松井 智
出版者
筑波技術短期大学研究委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.165-170, 1998-03

聴覚障害者の施設利用時の情報受容と行動の関係から、聴覚障害者への情報提供の配慮点を明らかにすることを目的にテーマパーク内の情報環境調査を行った。その結果、施設内で提供される情報は、1)従業員のコミュニケーションによる情報、2)スピーカーから流れる音声案内・音・音楽等の情報、3)表示物、印刷物などからの視覚的情報、4)空間の配置や風景から得る視覚情報であった。本研究では「テーマパークにおける情報保障・サービス」に関するいくつかの提案のうち、2)スピーカーからの音声案内情報で、情報の構成要素(仕掛け)となる発信源が人間側にあり現実に改善が可能なジャングルクルーズに着目し、その音声言語情報の現状把握と問題点から聴覚情報の入手に障害を持つ来園者が健聴者と同じ水準でアトラクションを楽しめるための手話表現によるガイドの可能性と具体的なガイド方法を提案するものである。
著者
森 一彦 伊藤 三千代
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

(目的)本研究はその公的環境の中で駅ターミナル施設に着目し、情報(視覚・聴覚)障害者の探索行動の特徴を明らかにすることを目的とした。(方法)具体的には、視覚障害者・聴覚障害者および比較のための健常者の探索行動実験を行い、情報(視覚・聴覚)障害者の探索行動の特徴を分析した。特に探索行動時の探索方法の内容および情報入手の状況を整理し、そのデータを基に被験者相互の迷い行動を比較分析した。(結論)結果として、以下の点が整理された。(1)情報障害者は、入手情報が制限されるものの、適切に情報が提供されれば、迷うことなく目的のプラットホームに到達する事ができる。(2)むしろ、健常者の方が複数の情報が入手可能なため、色々な行動が誘発されやすく、結果的に「迷い」が大きくなるケースが多くあった。(3)聴覚障害者は健常者に類似した傾向があるものの、補足データとしての聴覚的な情報が乏しく、迷いやすく、状況判断しにくく慎重な行動になる傾向がある。(4)視覚障害者は点字などのサインよりも、その場所に置かれたもの・機器を手がかりとし、場所・方向を認知して行動する傾向がある分かった。(5)視覚・聴覚共に情報障害者は、探索途中で適切な情報入手ができずに迷いが生じた場合に大きな問題が生じ、どのように迷いからブレイクスルーするかが重要な要件となる。