著者
新井 孝昭 小林 庸浩 新井 達也
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-7, 2003

本学(筑波技術短期大学)聴覚部において、授業時における教員の発言を学生が苦労せずに読み取れる状況になることは、教員が意図した教育的成果を期待する上でも、必要不可欠な教育環境である。そこで我々は、授業記録テープをろう学生と聴者教員のそれぞれが読み取り、それらの比較・分析をおこなった。その結果、授業における学生の読み取りの誤りが、聴者教員(話者)に気づかれることなく、いくつも生じていることが改めて確認できた。本稿では、読み取り分析から明らかになった表現の問題点を指摘し論考するとともに、本学での教育的成果を上げるためにも、ろう(または「難聴」)学生に通用するもう一つのコミュニケーションスタイルの必要性について論述する。
著者
大沢 秀雄
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.96-103, 2014-12

障害者スポーツに関する最も古い切手は1964 年にアルゼンチンから発行された東京パラリンピックの記念切手である。その後,パラリンピックの開催に合わせて,開催国を中心に記念切手の発行が行われるようになった。わが国の最初の障害者スポーツに関する切手はフェスピック神戸大会(1989)の記念切手であった。本論文ではスタンプショウ2014 に出品した「障害者スポーツ」(金銀賞)の切手展作品を基に障害者スポーツに関する切手を概説する。
著者
加藤 宏
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.95-100, 2017-12

「人の情報入力は視覚から8 割と" いわれる"。」,だから,「視覚を失うことはほとんどの情報のない世界に生きることになる」は妥当か。これらフレーズの出どころをたどろうとすると引用元が明記されていない場合が多い。広く語られることの多いこの視覚優位について,この言説の出処と科学的根拠をたどってみた。さらに,人口に膾炙したこの言葉がなぜその根拠についてあまり疑問にも付されず繰り返し引用され再生されてきたのか,そして,人間への情報入力の問題をどのように考えるべきなのかを考察する。
著者
根本 匡文 松藤 みどり 生田目 美紀 三牧 敏太郎 萩田 秋雄 櫻庭 晶子 川島 光郎 渡辺 隆 皆川 洋喜 石原 保志 中瀬 浩一
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.69-77, 2003

筑波技術短期大学聴覚部では、授業に関する情報を共有し、個々の教官の授業改善に資するために、平成14年度に授業研究 FD を3回実施した。そこでは5つの学科専攻及び一般教育等からビデオに記録した授業素材が提供され、意見交換と協議が行われた。本稿では、実際に提供された授業素材の内容とビデオ視聴後の協議の概要を整理・記録し、あわせて、FD に関する聴覚部教官の評価結果を記述した。授業改善のための努力をこれからも続ける必要がある。
著者
松尾 政輝 坂尻 正次
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.76-80, 2013-12

近年,数多くのコンピュータゲームが発売されているが,視覚障害者,特に画面を確認することができない全盲者がこれらを楽しむには多くの工夫と労力を必要とする。一方,視覚障害者向けのゲームも開発されているが,聴覚情報のみで遊ぶこのようなゲームは,健常者にとっては難易度が高いという側面がある。そのため,両者が十分に楽しむことのできるゲームはほとんど存在しない。したがって,視覚障害者は,健常者と同じゲームで遊び,話題を共有することが非常に困難な状況にある。そこで,健常者と視覚障害者の両者が十分に楽しむことのできる,音と触覚により視覚障害者も利用可能なバリアフリーゲームを開発した。本報告では,開発したバリアフリーゲームについて述べることとする。
著者
長野 留美子 小林 洋子 大杉 豊
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.31-35, 2019-03

耳のきこえない女性(以下「ろう女性」とする。)は,「障害者」と「女性」という二重差別の中で言語化の機会も乏しく,1950 年代まで抱える課題が可視化されてこなかった存在である。本報告では,「ろう女性」に焦点をあて,聴覚障害当事者団体の機関紙である日本聴力障害新聞の戦後の創刊当初から2014 年までを対象に「ろう女性」に関する記事を抽出し,データベースを作成した経緯について述べる。
著者
今井 計
出版者
筑波技術短期大学研究委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.45-48, 1994-05-02

平成3年4月本学に着任し,学生の要請に応じてバレーボール指導している。まず,バレーボール経験の有無を聞き,経験者・未経験者のプレーぶりを見て指導を始めた。1年間指導して,健聴者のように声で連携プレーができないため,アウトボールに触ったり,お見合いをした。そこで聴覚障害を加味した実戦法として,指でサインを送る指導をした。2年目に新体連北区連盟,3年目に関東大学男子バレーボール連盟に加盟し(本学運動部で大学連盟に登録するのはバレーボール部が初めて),リーグ戦に出場した。その際,健聴者との違い(笛が聴こえない,審判の問題)をわかっていただいた。健聴者との試合では,私が声を出さずに手話で作戦を与えることがプラスになった。またトラブルを少なくするために,体育館にフラッシュランプの設置の普及という問題点もあった。聴覚障害学生を手話で指導する際に「指のサインプレー」「反復練習から体で覚える」「状況判断」が大切だということがわかった。
著者
加藤 宏 青木 和子 永井 伸幸 近藤 邦夫
出版者
筑波技術短期大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.7-13, 2005

重度視覚障害者に対する学力判定試験として音声による試験の可能性を検討するために英語と国語問題の試行試験を行った.点字触読技能を十分に習得していない重度視覚障害学生のためのリスニングによる試験方法を検討するためである.問題はコンピュータの合成音声,デジタル・ボイスレコーダで録音した肉声をパソコン再生,DAISY レコーダの3方式で提示された.科目は英語の語彙力テスト,英語読解問題と国語の読解問題であった.いずれの形式でも視覚障害者は音声のみで回答可能であり,試験における特別措置の方法としての可能性が示唆された.解答所要時間は問題録音時間の1.1 倍から2.6 倍要した.点字や墨字試験との比較を行い特別措置としての標準化研究が必要である.
著者
井口 正樹 中村 直子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.78-83, 2014-03

国際交流委員会活動の一環として,米国アイオワ州アイオワ大学での研修が平成25 年3月に1週間行われた。今回の研修には理学療法学専攻から2名の学生が参加し,研修初日には大学間交流協定締結のための調印式も行われた。その後の研修は,授業参加,研究活動見学,病院・医院見学などの内容で,短い期間ではあったが,本学学生は,勉学に対し積極的な現地学生の態度を肌で感じ,また日本の理学療法(士)の将来像にあたる米国理学療法士の臨床現場を見ることができた。これらの経験は,本学学生にとって今後の勉学や専門家としての心構えに良い影響を与えるものと思われる。
著者
村上 佳久
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.58-63, 2013-12

スーパーコンピュータ(以下:スパコン)の超小型タイプを製作し,スパコンとは何かについて原寸大で教育できるような教材化を行い,検証した。実際,作製した超小型スパコンは,東京工業大学の大型スパコンである"Tsubame 2.0"とソフトウェア面で互換となるように設計し,将来的は発展が見込めるようなものが実現できた。
著者
後藤 豊
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
no.8, pp.227-230, 2001
被引用文献数
4

郵政省(現総務省)電気通信技術審議会は2000年9月25日,「電波を使用する音声アシストシステムの技術的条件」について郵政大臣へ答申した。この音声アシストシステムは音声情報をFM電波に乗せて視覚障害者が持つ受信機に届けるものである。このようなシステムが駅、交差点,バス停,公共施設などに備えられ,ランドマークとしての機能を果たせば,視覚障害者のメンタルマップ形成・照合に役立ち,単独歩行の安全性が著しく高まるとともに,行動範囲の拡大にもつながると期待される。筆者は電気通信技術審議会音声アシストシステム分科会の構成員として答申案の審議に参加したので,音声アシストシステムの概要を視覚障害関係者にいち早く紹介することとしたい。
著者
大沢 秀雄
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.78-93, 2012-03

わが国の点字郵便の料金減額化は大正6(1917)年7月15 日に始まった。その後、数度の料金改定を経て、昭和36(1961)年6月1日に無料化された。点字郵便の無料化によって、点字本・録音図書などが無料で送ることができるようになり、視覚障害者の教育・福祉に多大の貢献を果たした。本論文ではわが国の点字郵便制度の変遷を解説する。
著者
内野 權次 三好 茂樹 森山 利治 小林 正幸
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.75-80, 2002

筑波技術短期大学の聴覚部では通常の学内放送の代わりに、ケーブルテレビシステムを利用して開学時から文字と画像を中心とした学内広報〔1〕〔2〕や、学生に必要な様々な情報伝達を行ってきた。またこの設備は、通常のテレビ放送を受信し、再転送放送も行っており、時代の変遷に伴って用途に応じた様々な改善や機能増設を施しつつ活用されている。ここ数年間に一般のテレビ放送局においても、聴覚障害者のための情報保障として字幕放送番組が増えつつある。また、放送大学でも本学と単位互換協定を結んで、昨年から字幕入りの講義科目を開設している。一方全日本ろうあ連盟では独自の聴覚障害者専用デイジタル衛星放送「目で聴くテレビ」を平成12年度から開始した。そこで本学では、これを期に学生達が寄宿舎の個室で様々な学習情報や生活情報など、字幕放送を通じてより多くの知識が吸収出来るよう設備の改善充実を実施した。その内容について報告し、活用状況と運用上の課題および今後の検討事項などについて触れてみたいと思う。
著者
多田 篤志 加藤 伸子
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.70-75, 2013-12

本研究では,就職活動中の聴覚障害学生にとって大きな課題の一つである面接対策として,面接練習システムの検討を行った。就職担当者との面接練習の前に用いるシステムとして,個人での繰り返し練習を可能することを目的としている。試作した面接練習システムでは,学生の回答に応じた面接官の質問文提示,時間計測,フィードバッグの3つの機能を実装した。本稿では面接練習システムの概要と試作システムを用いて実験を行った結果について述べる。
著者
小林 真 笹岡 知子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.57-62, 2019-03

クロアチア共和国ザダルにて開催された欧州の視覚障害学生サマーキャンプ,ICC2018 に学生2 名を引率して参加した。キャンプは,ワークショップやイブニングアクティビティ,エクスカーションデイなどで構成される。期間中,学生たちは積極的に友達のネットワークを作る活動を進め,諸外国からの参加者,とりわけギリシャからの参加者たちと良い関係を築くことができた。
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.68-72, 2012-03

鉄道駅の案内サインにおいて、聴覚障害者に分かりやすく情報提供するための方法を探るため、聴覚障害者学生および健聴者学生に対してアンケート調査を行った。その結果、聴覚障害者は目的の場所にすぐに行けない場合にも、駅員に質問することが難しいためか、自分で解決しようとする傾向が強いこと、アナウンスが聞こえないために、事故や災害などの影響でダイヤが乱れた際の状況把握が難しいこと、路線や施設を探す際に、路線色やピクトグラムではなく、文字を優先しがちな人が健聴者よりも多い可能性があること、などのことが分かった。
著者
脇中 起余子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.5-11, 2017-12

筑波技術大学における1年次必修科目「日本語表現法A」と「日本語表現法B」の中で,聴覚障害学生の日本語に関する困難点を,特に「もらう・くれる」と「いただく・くださる」に焦点をあててまとめた。「あげる」と「もらう」について,助詞は適切に扱えるが,ウチソトとの関連で正否が適切に判断できない学生が相当数見られた。また,「くれる」について,助詞が適切に扱えない学生が相当数見られ,このことが「くださる」や「いただく」における助詞の誤用につながっていると思われた。
著者
隈 正雄
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.145-149, 2002

本学視覚部情報処理学科における就職支援の現状についての報告である。はじめに、情報処理学科の就職支援体制について説明する。次に、SPIの模擬試験や企業採用責任者による模擬面接等の受験テクニックの指導方法について報告する。本学科の支援の特色として、学生に企業の視覚障害者採用の実態を理解させることがある。本学科ではその理解を元に、企業選定、職種選定、企業へのアプローチの方法をアドバイスしている。
著者
齊藤 まゆみ
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
no.7, pp.43-47, 2000

ステップ系の運動は、聴覚‐ 運動連合を発達させるものであり、聴覚のサポートにより音楽と動作を同期させ、運動をコントロールしている。しかし、聴覚に障害がある学生は、視覚情報に頼って運動をコントロールしなければならず、リズミカルな動きを苦手とする者が多いことが指摘されている1) 聴覚部では、エアロビクスダンスを教材とした保健体育授業を展開し、音楽をスポーツ感覚で取り入れ、踊ることの楽しさとリズミカルな動きやボディバランスの向上を図ることを目指してきた。そこで、基本のステップa をもとに5 種類の基本のステップを段階的に展開するエアロビクスダンスプログラムの教材としての検討を行った。その結果、技術的な面に着目すると、基本のステップa による技能レベル差は、その後のパフォーマンスレベルに大きく関与していることが示唆された。しかし、運動技能の低い者でも、持久力の面から十分効果が期待できる教材になることも示唆された。これらのことより、大学体育におけるエアロビクスダンスは、新しいステップの獲得、複雑な動きの獲得による達成感・楽しさだけでなく、体力・持久力の維持、向上という面でも達成感・楽しさを得ることができると考えられた。
著者
齋藤 玲子
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
no.8, pp.247-254, 2001

過去に日本で用いられた数学点字記号を資料に基づいて収集整理し、現行体系成立の過程を調査した。明治時代から現在に至る日本数学点字記号の歴史的変遷を年代順に一覧表に示す。2002年向け暫定改訂版も併せて示す。