著者
秋元 恵実 小林 博子 嶋津 秀昭 伊藤 寛志 木下 晴都
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.409-415, 1988-12-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
11

指動脈圧を無侵襲的かつ連続的に計測する容積補償式の血圧計を使用し, 本態性高血圧症16名を対象に, 洞刺による血圧応答について正常血圧群と比較検討した。本態性高血圧群では鍼刺激直後から収縮期・拡張期血圧は有意 (P<0.05) な下降を示した。平均では収縮期血圧で14mmHg, 拡張期血圧では9mmHgの下降であった。洞刺の効果は刺激後30分まで持続し, 洞刺後15~20分で最大の下降が認められた。脈圧および心拍数については有意な変化は認められなかった。本態性高血圧群と正常血圧群の血圧変化を比較すると両群共に類似した下降曲線が得られ, 両群には同様な反射が出現しているものと推察する。しかしながら洞刺による血圧変化には個体差が見られた。