著者
伊藤 洋典
出版者
熊本大学
雑誌
熊本法学 (ISSN:04528204)
巻号頁・発行日
no.135, pp.101-129, 2015-12

地方議会の問題は、議会の運営の仕方の問題や議員の資質の問題であるというよりも、むしろ、議会の基盤である社会構造の問題として捉えた方がよいのではないか。つまり、社会構造的な原因が地方議会の存在意義を大きく低下させているのではないかという視点から分析しなければならないのではないか。もっとも、本稿ではこの問題を詳細に分析するだけの準備ができていない。本稿はこうした問題を考えるための準備として、問題を考える手掛りを捉えるための全体的な状況を整理し、そして議員の意識調査をもとに、議員が何を自分たちの使命として考えているか、また住民は議員に何を求めているかを、筆者が今年(二〇一五年三月)にとったアンケート調査を参考にして考えてみる。また議員と住民の意識のギャップも合わせて考えてみたい。
著者
伊藤 洋典
出版者
熊本大学
雑誌
熊本法学 (ISSN:04528204)
巻号頁・発行日
vol.124, pp.31-74, 2011-11-30

本稿では、日本社会が近代化・工業化を遂げ、社会構造のみならず価値観やライフスタイルも含めて大きな変化を経験した一九六〇年代までの、いわゆる「高度成長期」の時代にあって、さまざまな「変革」を語った政治学および政治的言説に目を向け、ここで政治を語る二つの大きなパラダイムともいうべき視点、枠組が現れたことを論じる。