著者
北原 拓也 久保 恭仁 吉澤 海 安部 宏 会澤 亮一 松岡 美佳 相澤 良夫 砂川 恵伸 高山 忠利 幕内 雅敏
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.229-237, 2009 (Released:2009-06-03)
参考文献数
14
被引用文献数
3 3

Peliosis hepatis(肝紫斑病)は,類洞の拡張と肝内に多発する血液の貯留腔を認めるまれな疾患で,WHOの肝腫瘍の組織学的分類では腫瘍類似病変に分類されている.本邦では腫瘍との鑑別に苦慮した症例の報告が散見されるが,肝全域にわたってPeliosis hepatisが発生,進展し,致命的な転帰となった症例は,過去にわずか1例が報告されているのみである.今回我々は,特徴ある組織学的所見を呈し,経過観察中に突然病態が悪化し急速に致命的な経過をたどった,肝全域にわたる特発性Peliosis hepatisの極めてまれな1例を経験したので報告する.
著者
馬場 仁 会澤 亮一 山尾 瑞奈 安部 宏 宮川 佳也 松岡 美佳 相澤 良夫
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.101, no.12, pp.1325-1331, 2004-12-05
参考文献数
22
被引用文献数
2

62歳男性. 悪心, 左上腹部痛を主訴に平成15年3月当院受診. 同年5月の再受診時より肝障害を認め6月4日入院. 腹部造影CTでは肝左葉中心の斑状高濃度域を認めた. MRIでは肝の信号はびまん性に不均一で, T1強調像で低信号, T2強調像でやや高信号, SPIO造影で左葉中心の斑状低信号を認めたが, 腫瘍の同定は困難だった. 肝不全が進行し7月26日死亡. 肝ネクロプシーと画像所見からびまん型肝血管肉腫と診断した.