著者
山本 雅司 奥野 未佳 佐々木 崇博 藤本 雷 片岡 葉子 川島 佳代子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.979-988, 2020 (Released:2020-12-14)
参考文献数
17

【背景・目的】IL-4受容体抗体薬デュピルマブは,Th2型炎症疾患のキードライバーであるIL-4,13を介するシグナル伝達路を阻害することで,アレルギー性鼻炎に対する治療効果が期待できる.今回重症アトピー性皮膚炎患者において,デュピルマブのアレルギー性鼻炎に対する治療効果の検討を行った.【方法】デュピルマブによる治療を開始した重症アトピー性皮膚炎患者のうち,通年性アレルギー性鼻炎を合併した21症例に対して前向き観察研究を行った.アレルギー性鼻炎に関して最重症・重症群と軽症・無症状群に分けて検討を行った.【結果】最重症・重症群においては自覚的な鼻症状,アレルギー性鼻炎に関わるQOLの評価,フェイススケール,鼻内所見において,一部項目を除き有意な改善を認めた.軽症・無症状群においては全ての項目で有意な改善を認めなかった.また自覚的所見においては他覚的所見と比較すると低く評価される傾向を認めた.【結語】重症アトピー性皮膚炎患者において,デュピルマブは重症通年性アレルギー性鼻炎に対して治療効果を持つと考えられる.
著者
佐々木 崇博 竹中 幸則 山本 佳史 喜井 正士 中原 晋 西池 季隆 猪原 秀典
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.115-121, 2013 (Released:2013-07-09)
参考文献数
14
被引用文献数
1

軟骨肉腫は全悪性骨腫瘍の20%を占め,原発性骨悪性腫瘍の中では3番目に多い腫瘍であるが,頭頸部原発のものはまれである。今回,われわれは頭頸部領域に発生した軟骨肉腫を3例経験したので,文献的考察を加え報告する。症例1:67歳男性。右輪状軟骨より発生しており,喉頭摘出を行った。症例2:71歳女性。鼻中隔原発であり内視鏡下に切除を行った。症例3:67歳男性。下顎骨関節突起より発生しており,耳下腺,下顎骨の部分切除を行い摘出した。いずれの症例も安全域をつけた切除を行うことにより,無再発生存中である。