著者
佐々木 麻紀子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.246, 2014 (Released:2014-07-10)

目的 家庭洗濯は衣類に付着した汚れを除去し、元の状態に回復させながら繰り返し使用していくことを目的に行われる。そこで家庭洗濯の効果的な方法を検討することを目的として、衣類の中でも汚れ落ちが気になる靴下汚れを試料として着用実験を行い、つけ置き洗いの効果について検討した。方法 20代から30代の女性10名に日常生活及び運動中に靴下(綿100%白色)を着用し活動をしてもらい試料とした。洗濯は、市販の液体洗剤及び粉末洗剤に30分間浸け置き後、渦巻き式洗濯機及びドラム式洗濯機の標準コースで洗濯を行った。着用・洗濯を繰り返し6回行い、新品の靴下との一対比較でつま先、かかと、すねの3カ所について目視により9段階評価した。結果 運動中に着用した靴下の汚れは毎回のつけ置き洗いの有無で洗浄性に差があり、つけ置き効果が高い。しかし、日常生活で着用した場合の汚れ落ちはつけ置き洗い有は無の場合より効果はあるものの、運動中と比べその効果は小さいことがわかった。日常生活及び運動中ともにつけ置き洗いをしたものは、洗浄効果が高く、つけ置き洗いの効果が認められるものの汚れの種類によりその効果に差があること、また1回の洗濯では汚れ落ちの差は少ないが、汚れは累積しており、6回の繰り返し洗濯において洗濯方法の違いによる汚れ落ちに差がみられた。この実験では、洗濯機の種類による汚れ落ちの差は認められなかった。
著者
佐々木 麻紀子 中林 あずみ 川村 あゆみ
出版者
東京家政学院大学
雑誌
東京家政学院大学紀要 (ISSN:21861951)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.85-90, 2019 (Released:2022-02-25)
参考文献数
18

コチニールはカイガラムシとも呼ばれ古くから染料として用いられ、天然染料の中でも比較的安定した堅ろう性を持った染色布を得られることがわかっている。本研究では、試料を豚革としてコチニールを用いて浸染を試み、手工芸染色として簡便に利用できるような染色・媒染条件を探り、豚革を用いた手工芸染色の可能性を広げることを目的とした。豚革を 60℃で浸漬をすると3.0~4.3%程度の収縮が生じ、部位によっては変形、黄変、硬化などを伴ったため、染色実験では、染色温度40~50℃と設定した。低温染色であるため、アルミ媒染、スズ媒染ともに1回の染色で濃色に染色することは難しく、5回の繰り返し染色を行った。豚革の銀面及び床面において、繰り返し染色による濃色効果が認められた。豚革は、コチニールを用いた低温浸漬によるろうけつ染めが可能であり、繰り返し染色や媒染剤を変えることで色のバリエーションを増やすことが可能であった。