著者
西原 留美子 佐久間 志保子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.9-18, 2007

成年後見制度は、判断能力が不十分な人の身上に配慮しつつ、「本人意思を尊重した自己決定の尊重」と「本人の保護」との調和を図ることを制度の理念としている。しかし、判断能力が不十分な人の意思確認は困難を要する場合も多く、本人の最善の利益を成年後見人等が本人に代わって判断しなければならない。社会福祉士が成年後見活動を行う際には、身上に配慮した生活支援のあり方について何を根拠に決定したのか、専門職としての説明責任を果たさなければならない。そのためにはアセスメント項目を明確にする必要があると考え、本研究を開始した。本稿は研究の第一段階として、実際に後見活動を行っている社会福祉士に聴き取り調査を行った結果報告の第一報である。5事例を分析した結果、「安定した生活環境がある」「本人からの訴えの有無」「社会通念」「家庭裁判所の判断」「経済状態」「家族状況」といった要素を見出すことができた。
著者
工藤 綾子 稲冨 惠子 佐久間 志保子
出版者
順天堂大学
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.458-467, 2007-09
被引用文献数
1 1

目的:本研究は訪問看護師ならびに施設責任者の在宅医療廃棄物処理の現状を把握し,訪問看護ステーションの適正処理に関する教育的課題を明らかにすることを目的とした.対象:訪問看護師703名,施設責任者345名.方法:対象者には質問紙による郵送法調査を行った.調査内容は,(1)在宅医療廃棄物の処理状況,(2)医療廃棄物取り扱いに関する指導内容と方法,(3)感染性医療廃棄物に関する意識と取り扱い,(4)行政・企業・施設に対する要望などであった.調査結果:(1)訪問看護師が施設に持ち帰る廃棄物は注射器・注射針,点滴セット,血糖測定時のテステープ・カット針などであった.(2)医療廃棄物に関する講習会への参加経験がある訪問看護師は25%であった.(3)職員を講習会に参加させている施設責任者は34%であった.(4)施設に対しては医療廃棄物に関するマニュアル作成,感染症に対する学習の機会を要望していた.(5)行政・企業への要望は訪問看護師・施設責任者ともに知識の普及であった.結論:講習会参加については参加させている施設責任者,参加経験のある訪問看護師ともにその効果を認めているものの,職員を講習会に参加をさせている施設責任者は少なく,訪問看護師の在宅医療廃棄物に関する知識の普及と各市町村ならびに施設の廃棄システムを踏まえた感染性医療廃棄物の取り扱いマニュアルの作成が急務な課題であることが明らかになった.