著者
孔 昌一 佐古 猛 岩田 太
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

環境に優しく従来よりも低温で高品質化及び高生産性を同時に実現可能な新規グラフェン創製技術の開発を目的とし、黒鉛を出発原料とし、黒鉛の酸化および酸化グラフェン(GO)の還元について研究を実施した。酸化グラフェンをヘキサン、二酸化炭素、アセトニトリル、ベンジルアルコール、アルコール類の超臨界条件で処理した結果、エタノールの方のGO還元効果が一番高かった(最新の研究ではエタノールに微量HIを添加し300℃および10気圧のという穏やかな条件まで下げられた)。
著者
岡島 いづみ 山田 和男 菅田 孟 佐古 猛
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.553-558, 2002-09-20
被引用文献数
3 39

亜臨界から超臨界領域の水を用いてエポキシ樹脂の分解を行った.その結果,350–380℃,25MPaの条件で樹脂は完全に分解し,約90%がフェノールやイソプロピルフェノールなどの単環フェノール類や,比較的分子量の小さな生成物である水+メタノール可溶分として回収された.一方,380℃における熱分解では分子量の大きな残渣やTHF可溶分が生成物の約半分を占めていることから,反応場に水が存在することで樹脂の炭化が抑制され,低分子化が進行することを確認した.また超臨界メタノールを用いた場合には,エポキシ樹脂の分解は起こるものの,同様の条件の超臨界水分解に比べて軽質化はあまり進まなかった.当該技術の応用の一例として,エポキシ樹脂をマトリクス樹脂として使用した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の分解・炭素繊維の回収を試みたところ,380℃,25MPaの超臨界水を用いると樹脂分は低分子化して炭素繊維からはがれ,付着物のない炭素繊維を回収することができた.
著者
上田 敏郎 島村 佳伸 東郷 敬一郎 藤井 朋之 岡島 いづみ 平松 正敬 佐古 猛
出版者
The Society of Materials Science, Japan
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.964-969, 2010
被引用文献数
2 5

Carbon-fiber reinforced epoxy was decomposed using subcritical water and supercritical methanol to reclaim carbon fibers. The tensile strength of the reclaimed carbon fibers was measured. Then SEM observation, XPS, and Raman spectral analysis were conducted to elucidate the change of tensile strength caused by decomposition. The tensile strength decreased by 6% in the case of decomposition with supercritical methanol, and by 12~17% with subcritical water. The surfaces of reclaimed carbon fibers were resin-free. Decomposition did not affect the fiber surface and fracture surface morphology. Subsequent XPS analysis revealed that functional groups of the carbon fiber surface had been removed. Raman spectral analysis showed decreased graphitization of the carbon fiber surface. These results imply that the fracture toughness of the carbon fiber surface decreased because of breakage of carbon-carbon bonds in the carbon fibers as a result of decomposition.