著者
佐藤 律子 片桐 史子 石井 馨 片桐 正隆
出版者
Japanese Association for Oral Biology
雑誌
歯科基礎医学会雑誌 (ISSN:03850137)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.72-82, 2001-02-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
28

エナメル質の斑状白濁は, 歯のフッ素症 (斑状歯) と初期齲蝕に共通な臨床的特徴であるが, 前者は酸に抵抗性を示す。本研究は斑状歯について, 齲蝕歯と埋伏歯を対照歯とし, 0.1N塩酸による脱灰処理前後のエナメル質の構造と質を肉眼像, SEM像やCMR像によって比較し, 酸に対する抵抗性の違いを検索することを目的とした。SEM像によると, 対照歯のエナメル小柱上面観は規則正しく魚鱗状に配列し, 小柱間隙は酸に強く脱灰され幅が広く, 割断面での最表層の無小柱エナメル様の部分は粗 であった。斑状歯では, 小柱体が不規則な配列で毛様に残存し, 小柱間隙は狭く, 割断面では比較的平滑であった。CMR像では, 表層の高石灰化層にさらに著しい石灰化の部分が点在していた。以上から, エナメル小柱の構造が酸による脱灰に抵抗していると考えられた。なお, 歯のフッ素症患者の生活環境水中のフッ素の定量分析の結果では6.1-6.7ppmで, 本症の重要な発現因子と考えられた。
著者
梨田 智子 今井 あかね 吉江 紀夫 下村 浩巳 羽下 麻衣子 佐藤 律子
出版者
日本歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

1.マウス耳下腺において,エズリンがアクアポリン5と共存することを明らかにした。糖尿病NODマウス耳下腺では,これらは共に局在性が変化した。2. 耳下腺ホモジネートから等電点の異なる3つのアクアポリン5を検出した。コントロールマウスではpI 6.0付近のものが主であったが,疾患マウスではpI 8.8付近のものが主であった。すなわち,糖尿病NODマウスではアクアポリン5のリン酸化レベルが低いことがわかった。