- 著者
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吉江 紀夫
本間 義治
- 出版者
- International Society of Histology and Cytology
- 雑誌
- Archivum histologicum japonicum (ISSN:00040681)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.5, pp.339-346, 1976 (Released:2009-02-20)
- 参考文献数
- 7
- 被引用文献数
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熱帯産の雌ヒメウミガメを用い, 特異的に発達した食道を光顕ならびに走査電顕により観察した. 食道は, 著しく角化した重層扁平上皮よりなり, その大部分は多数の突起 (別名 咽頭歯) となっている. 食道上皮は3層すなわち胚芽層, 有棘層 および角質層からなる. 突起の表面は, 鱗片状に剥離していく角化細胞によっておおわれており, 角質層が極めて厚く, 100μに達する. これは, 他の食道粘膜上皮角質層の3∼7倍の厚さである.顎歯を欠くウミガメにみられた これら特異な形状の突起は, 飲みこんだ食物を 細片にくだくのに役立っているらしい.