著者
佐藤 正恵 中谷 恭子
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.47-56, 1992-06-30

生後1〜6ヵ月の健常児計12名(各月齢7名)とこれとほぼ同月齢のダウン症児1名およびハイリスク児5名の、大人(母親)と事物(ガラガラ)に対する「おはしゃぎ反応」の発現、発達を検討した。その結果、以下のことが判明した。1)「おはしゃぎ反応」は、まず大人のコミュニケーション作用への応答として生後1ヵ月頃初出し、それより約半月遅れてコミュニケーション作用を行わない大人にも生起するようになる。他方、事物では、3ヵ月頃生起するようになる。2)「おはしゃぎ反応」の現われは、人と事物で明確に異なる。3)活気に満ちた活動状態としてのより強い能動性が向けられる対象は、6ヵ月頃に人から事物へと変化する。4)「おはしゃぎ反応」に問題があったハイリスク児では、1、2歳代で発達の遅れが確認され、「おはしゃぎ反応」は障害の有無を診断する時の指標となりうることが示唆される。

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著者
佐藤 正恵
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.451-454, 2012-09-01 (Released:2012-09-01)
参考文献数
2
著者
佐藤 正恵 植田 映美 小川 香織 SATO Masae UETA Emi OGAWA Kaori
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテスリベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.86, pp.27-40, 2010-06

2005年の発達障害者支援法制定や2006年の学校教育法一部改正に伴う通常学級での特別支援教育開始等に伴い,医療や教育,福祉,司法など多くの領域で注意欠陥・多動性障害(以下ADHD)や広汎性発達障害など発達障害への関心が広がっている。近年,こうした障害への気づきが早くなる一方,わが子に発達障害があると知らされた保護者のほとんどは戸惑い,対応に悩んでいるのが現状である。中でもADHDをもつ子どもは発達段階に不相応な多動性や衝動性,不注意ゆえに幼少期より社会適応や学業が妨げられやすい。そのため,保護者の中には子どもの生活上の困難に強い不安を抱いたり,ささいなつまずきを甚大に捉え自責感を強める,あるいは逆に子どもの行動を厳しくコントロールしようとする者もいる(田中,2007)。こうした場合,より良い親子関係が築かれにくく,親子ともども抑うつ症状をきたしたり,虐待などに至ったりする危惧がある。