著者
長 秀雄 竹本 幹男 西野 秀郎 塚原 祐輔 佐藤 倬暢 佐藤 治道 中野 禅 山中 一司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.96, no.28, pp.41-47, 1996-04-26

レーザー干渉縞の位相速度走査法により励起した弾性表面波を用いて多孔質シリコン層の位相速度分散を30-90 MHz範囲で、また異方性を非破壊・非接触で測定した。音速測定誤差は1%以下と良好であった。位相速度は空孔率の増加とともに低下し、単結晶シリコンの1/2-1/3と極めて低かった。また、音速の伝播方向依存性を測定したところ90度の周期の異方性が測定され、周波数の上昇とともに最大・最小の音速差は小さくなり、空孔率0.500場合60MHzでは約30m/s程度であった。さらに、逆問題解析によって3個の弾性定数(C_<11>,C_<12>,C_<44>)と膜厚を独立した4つの未知数として推定した。その結果,空孔率の大きい多孔質シリコンはほぼ等方性であり、非晶質的であると思われる。