著者
甲田 壽男 永田 可彦 小木曽 久人 中野 禅 山中 一司
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.836-841, 1994-10-01

生体リズムで機械を駆動するという外燃を初めて提唱しその具体的な実現の方法を示した。生体リズムとして心拍信号を検出し、これから得た心拍間隔から電力調整器を制御する信号を発生させ扇風機の回転を制御する方法である。心拍間隔、制御電圧、扇風機の回転数及び風速を測定しそのパワースペクトル密度を求めた結果、心拍間隔に見られる1/f揺らぎ特性や呼吸の影響などがそれぞれのパワースペクトル密度に保存されていた。
著者
山中 一司
出版者
応用物理学会
雑誌
應用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.751-757, 2007-07-10
参考文献数
30
著者
長 秀雄 竹本 幹男 西野 秀郎 塚原 祐輔 佐藤 倬暢 佐藤 治道 中野 禅 山中 一司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.96, no.28, pp.41-47, 1996-04-26

レーザー干渉縞の位相速度走査法により励起した弾性表面波を用いて多孔質シリコン層の位相速度分散を30-90 MHz範囲で、また異方性を非破壊・非接触で測定した。音速測定誤差は1%以下と良好であった。位相速度は空孔率の増加とともに低下し、単結晶シリコンの1/2-1/3と極めて低かった。また、音速の伝播方向依存性を測定したところ90度の周期の異方性が測定され、周波数の上昇とともに最大・最小の音速差は小さくなり、空孔率0.500場合60MHzでは約30m/s程度であった。さらに、逆問題解析によって3個の弾性定数(C_<11>,C_<12>,C_<44>)と膜厚を独立した4つの未知数として推定した。その結果,空孔率の大きい多孔質シリコンはほぼ等方性であり、非晶質的であると思われる。
著者
井手 清志郎 辻 俊宏 小針 健太郎 山中 一司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.147, pp.17-22, 2006-07-05
被引用文献数
1

分域の成長過程をAFMにより直接観察するためには電場の印加方向をAFMの観察面内にする必要がある。そこで10μmの間隙をもつ表面電極対をリラクサー系強誘電体単結晶PMN-PTに作製し、超音波原子間力顕微鏡(UAFM)およびラテラル圧電応答力顕微鏡(LPFM)を用いて電場印加による分域のスイッチング挙動を評価した。UAFMではLPFMで見られた分域境界で接触弾性の低下により共振周波数が低下したが、LPFMで見られない表面下で傾斜した分域境界も観察できた。電界を印加した結果、電界が弱い場合には可逆的な分域スイッチングが、強い場合には分域境界の移動を伴う不可逆的なスイッチングが観察された。移動を伴うスイッチングでは電場の方向に対して相対的に安定な分域が成長する過程が観察された。表面電極対は強誘電体の分域挙動の評価に有用である。
著者
辻 俊宏 山中 一司 三原 毅
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

走査プローブ顕微鏡により逆圧電応答を計測する圧電応答顕微鏡(PFM)により、強誘電体メモリ用薄膜の疲労現象やMEMSのアクチュエータ用薄膜の性能向上のメカニズムが明らかにされつつある。しかしデバイスの動作環境、すなわち分極反転過程および逆圧電駆動中の分域をナノスケールの空間分解能で観察する手法は確立されていない。本研究では、表面に作製した電極対(表面電極対)の微小なギャップを利用してデバイスの動作環境の再現を試み、ナノスケールにおける弾性特性評価が可能な超音波原子間力顕微鏡(UAFM)により評価して、強誘電体材料の実用的な環境における材料評価技術の確立を目的とした。強誘電体材料には様々なものがあるが、ここでは特定の結晶方位に分極処理を施すことで従来の材料に比べて著しく高い圧電係数を発現することで近年注目されているマグネシウムニオブ酸鉛(Pb(Mg2/3Nb1/3)O3-PbTiO3:PMN-PT)単結晶について実験を行った。その結果、この材料はキュリー点が130℃と低いために真空蒸着による電極作製時の入熱で脱分極分域組織が発生してしまったものの、表面電極対の電場で分域構造を駆動可能なことが初めて示された。その際に発生した分域境界をUAFMで観察した結果、表面下で斜めになっていることを示唆する結果が得られた。これはPFMのように誘電率の高い材料で電場が表面に集中する状況では不可能な測定であり、UAFMによる表面下欠陥の3次元構造の解析の可能性を実証できた。このように強誘電体材料の分域構造の評価において表面電極対を用いた電界印加およびUAFMによる非破壊評価が有用なことを初めて実証した。以上の研究により微細加工電極により分極・駆動される強誘電体の超音波原子間力顕微鏡による非破壊評価に関する基盤技術が確立でき当初の目的を達成した。
著者
赤尾 慎吾 佐久間 正典 小針 健太郎 山本 祐太朗 野口 和洋 中曽 教尊 辻 俊宏 山中 一司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.212, pp.81-86, 2008-09-18

安全・安心のために、ユビキタスな多種類ガス分析装置の要求がある。多種類のガス検出手法として、ガス成分の時間分離を原理としたガスクロマトグラフ(GC)が多く使用されているが、キャリアガス等のユーティリティが必要でかつ装置が大型であることから、ガスをサンプリングして分析室内での使用を余儀なくされてきた。我々は、小型で室温動作可能な球状弾性表面波(SAW)センサを開発してきた。SAWを球の表面に特定の条件で励振させることにより、無回折な自然な平行ビームとして多重周回させる事で長距離伝搬を可能にした。このため、音速の変化や強度の減衰率が超高感度で計測できる。この技術をGCに応用することで、小型で、高感度な多種類ガスセンサを提案する。
著者
辻 俊宏 小針 健太郎 井手 清志郎 山中 一司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.147, pp.23-28, 2006-07-05

超音波原子間力顕微鏡(UAFM)の高精度化にはカンチレバーのスプリアス応答の抑制が重要である。スプリアスの主な原因はカンチレバーチップの基板のたわみ振動である。そこで制振板により基板の曲げ剛性を高める手法を提案する。その結果、共振周波数の測定精度が向上した。また水平曲げ1次(L1)モードの測定の再現性も改善した。L1モードは横接触弾性を選択的に評価できるので、たわみモードによる縦接触弾性の評価と組み合わせることで、UAFMによる組織や欠陥の方向性評価が可能になる。強誘電体単結晶PMN-PTの分域構造の評価に適用した結果、L1モードを用いた評価により分域境界でせん断弾性が著しく低下する現象が初めて見出された。