著者
金本 郁男 井上 裕 守内 匡 山田 佳枝 居村 久子 佐藤 眞治
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.96-101, 2010 (Released:2010-04-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1

野菜サラダ(キャベツ,オリーブ油,酢)と米飯の摂取順序を変えた時に食後の血糖値とインスリン値のプロファイルがどのように変化するのかを確認するため,10名の健常成人において試験を行った.その結果,米飯摂取後に野菜サラダを摂取した場合と比較して,米飯摂取前に野菜サラダを摂取した場合には,食後20, 30, 45分での血糖上昇値(ΔC)は有意に低下し(p<0.01),最高血糖値(ΔCmax)に到達する時間は約40分遅延した(p<0.01).ΔCmaxは平均21%低下し,食後0∼120分までの血糖値上昇曲線下面積は,平均39%低下した.血清インスリン値は血糖値とパラレルに推移し,食後のインスリン分泌が節約できる可能性が示唆された.以上より,野菜サラダは米飯よりも先に摂取するほうが食後の血糖上昇を抑制するために有効であることが示された.
著者
金本 郁男 井上 裕 守内 匡 山田 佳枝 居村 久子 佐藤 眞治
出版者
日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.96-101, 2010-02-28
被引用文献数
3

野菜サラダ(キャベツ,オリーブ油,酢)と米飯の摂取順序を変えた時に食後の血糖値とインスリン値のプロファイルがどのように変化するのかを確認するため,10名の健常成人において試験を行った.その結果,米飯摂取後に野菜サラダを摂取した場合と比較して,米飯摂取前に野菜サラダを摂取した場合には,食後20, 30, 45分での血糖上昇値(ΔC)は有意に低下し(<i>p</i><0.01),最高血糖値(ΔC<sub>max</sub>)に到達する時間は約40分遅延した(<i>p</i><0.01).ΔC<sub>max</sub>は平均21%低下し,食後0∼120分までの血糖値上昇曲線下面積は,平均39%低下した.血清インスリン値は血糖値とパラレルに推移し,食後のインスリン分泌が節約できる可能性が示唆された.以上より,野菜サラダは米飯よりも先に摂取するほうが食後の血糖上昇を抑制するために有効であることが示された.<br>
著者
西田 浩志 栗山 由加 川上 賀代子 武井 裕輔 千葉 貴裕 増田 秀美 風間 克寿 大塚 彰 佐藤 眞治 小西 徹也
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.169-175, 2011-06-10
被引用文献数
1

芽キャベツとケールの交配から生まれた新しい野菜であるプチヴェールはカルシウムなどをはじめとしたミネラルやビタミン・βカロテンなどの栄養素に富んだ野菜であることから, その機能性に関する研究成果が待たれている。本研究では高脂肪・高ショ糖・高コレステロールの肥満誘導食 (ウエスタン飼料) を与えたマウスに対してプチヴェールがどのような影響を及ぼすかを検討した。通常食群 (CT), 通常食+5%プチヴェール群 (PV), ウエスタン飼料群 (W), ウエスタン飼料+5%プチヴェール群 (WPV) の4群を設定した。ウエスタン飼料給餌による体重および内臓脂肪重量の増加をプチヴェールが抑制した。トリグリセリド (TG) およびコレステロール値を測定したところ, 血中および肝臓ではプチヴェールの明確な作用が確認されなかったものの, 糞中への排泄量をプチヴェールが有意に促進することが分かった。また, ウエスタン飼料による肝臓中の脂肪酸合成酵素 (FAS) の活性上昇をプチヴェールが抑制することも明らかになった。 プチヴェールは脂肪酸代謝や糞中への脂質排泄を制御することでマウスの肥満を抑制することが示唆された。