著者
寺嶋 吉保 森 和夫 川野 卓二 永廣 信治 佐野 壽昭 玉置 俊晃
出版者
徳島大学
雑誌
大学教育研究ジャーナル (ISSN:18811256)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.26-35, 2005-03
被引用文献数
1

チュートリアル教育は、少人数グループにチューターが付いて学生の自主的な学習を指導・促進する学習方法である。徳島大学医学部医学科では2001 年から導入して、3 年生の9 月から4 年生12 月までの47 週間行なっている。2004 年度で4 年目を迎えるが、学生が教員に学習課題を少なめに出して早く終了する傾向もみられ始めた。われわれは、こうした傾向を憂い、グループ学習の楽しさを体験させてからチュートリアル学習を開始する方が、好ましい学習態度を形成できるのではないかと考え、3 年生の7 月に従来の2 時間程度の説明会以外に4 時間かけて「沖縄旅行計画」を作る学生ワークショップを行なった。この結果、前年度の学生よりも、このチュートリアル学習に対する好感度・有用感などが高くなり、グループ学習時間も増加して、この導入プログラムの有効性を示唆した。New curriculum of the school of medicine, the University of Tokushima included 47-week PBL-tutorial hybridprogram started in 2001.To improve their learning skill and attitude, and to introduce a new learning style ofPBL-tutorial to students smoothly, we held a half day student workshop. The content of workshop is of makingtour plans for a family who had relationship problems among family members. Twelve groups with eightstudents respectively competed and evaluated each other, and all students enjoyed working as groups. Theefficacy of this introductory program was evaluated with questionnaire and their study time of grouplearning between this year and last year students. Impression and feeling of usefulness toward PBL-tutorialwas improved, and time of group study increased this year. Results suggested usefulness of this introductoryprogram. We will continue the evaluation of this program.
著者
広瀬 隆則 山田 順子 山本 洋介 佐野 暢哉 日野 明子 古本 博孝 山田 正代 佐野 壽昭
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.233-237, 1997-03-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
10
被引用文献数
4 4

子宮頸部にはまれに神経内分泌癌が発生することが知られている. 30歳, 妊娠29週の女性の子宮頸部に発生した小細胞性神経内分泌癌の1例を経験したので, 細胞所見を中心に報告した. 患者は不正性器出血を主訴として来院し, 頸部前唇にピンポン玉大の腫瘍が見出されたため, 広範子宮全摘出手術が行われた. 術後, 大量化学療法と末梢血幹細胞移植が施行されたが, 合併症のため約7ヵ月後に死亡した. 擦過細胞診では, 小型で裸核状の腫瘍細胞が壊死物質を背景に孤立散在性ないし結合性の弱い小集塊として認められ, 肺小細胞癌の細胞所見に類似していた. 組織学的に腫瘍細胞は, 胞巣状, 索状ないしリボン状に配列し, 多くの細胞でGrimelius法により好銀顆粒が証明された. 免疫組織化学的に, Chromogranin A, neuron specific enolase, synaptophysinなどの神経性マーカーが陽性を呈しており, 小細胞性神経内分泌癌と診断された. 本腫瘍は, 小細胞性扁平上皮癌や低分化腺癌との鑑別が難しいが, これらの腫瘍より進行が早く悪性度が高いので, 早期に診断し強力な治療を開始することが大切である. 診断上, 細胞診のはたす役割は大きいと考えられた.