著者
東 禹彦 佐野 榮紀 久米 昭廣
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.280-284, 1994 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

プルゼニド® (センノシド) による光線過敏型薬疹の1例を報告した.患者は66歳, 男性で, 露光部位に痒みを伴って, びまん性の発赤を生じて受診した.初診時に検査では光線過敏を認めなかったが, 偶然の機会にUVAに過敏反応を生じていることが判明した.プルゼニドRを含めて6種類の薬剤を使用していた.プルゼニド®中止により光線過敏は消失し, プルゼニド®内服により光線過敏が出現した.原因薬剤が下剤の場合には, 常に使用している薬剤ではないので, 注意深く問診を行わないと見逃す可能性がある
著者
櫻根 純子 福原 佐保 佐野 榮紀 田所 丈嗣 浅田 秀夫 板見 智 吉川 邦彦
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.162-166, 2000

原発性肢端紅痛症の27歳と6歳の母娘例を報告した。母娘共に幼少時より両足から下腿にかけて潮紅, 灼熱感, 疼痛を認め, 成長につれて症状は増悪した。持続性疼痛に対し消炎鎮痛剤等の投与は無効であったが, 冷水浸漬によりわずかに緩和された。なお母の姉にも同症を認めた。この3例はいずれも血液疾患などの基礎疾患は認めなかった。以上より家族性原発性肢端紅痛症と診断した。母娘ともにserotoninreuptake inhibitorである塩酸クロミプラミンを投与し, いずれも症状の著明な軽減を認めた。