著者
佐野 泰久
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

省エネルギーパワーデバイス用炭化ケイ素(SiC)基板は硬くて脆いため、従来の加工法では高能率な加工が困難である。大気圧プラズマを用いた高能率化学エッチングであるPCVM (Plasma Chemical Vaporization Machining)によるSiC加工用実験装置を製作し、SiC基板の薄化とダイシングの基礎検討を行った。その結果、2インチ基板を用いた薄化の基礎検討において、加工速度0.5μm/minという高加工速度が得られ、小片基板を用いたダイシングの基礎検討の結果、200μm以下の溝幅で10μm/min以上の切断速度が得られることが分かった。
著者
山内 和人 山村 和也 佐野 泰久 稲垣 耕司 三村 秀和 森 勇藏
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

本年度(平成18年4月〜平成18年7月)の研究実績1 走査型蛍光X線顕微鏡システムの構築これまで開発を進めてきた、ナノ集光システムの後段に、既存のXYステージと蛍光X線ディテクターを装着させ、走査型の蛍光X線顕微鏡システムを構築した。XYステージには、0.01μm分解能のステージを用いた。蛍光X線ディテクターからの波形分布を、各ポイントで取得可能なシステムとし、複数の元素マップを取得することを可能とした。SPring-8のBL29XULにおいて、テストパターンによるシステムの動作確認と、細胞内の元素分布の観察を行った。テストパターンはFIB (Focused Ion Beam)により作製した。顕微鏡システムの空間分解能のテストを行った結果、30nmの分解能でテストバターンに書かれていた文字を画像化することができた。細胞観察では、細胞内の核やミトコンドリアの観察において、同時に複数の元素分布を可視化することに成功した。2 ブロジェクション顕微鏡システムの予備検討ブロジェクション型顕微鏡システムとしては、将来的な発展性を考慮すると、近年注目をあびているX線回折顕微鏡の導入が不可欠であり、検討を開始した。本手法は、X線の透過強度分布から、集光点近傍のサンプル内の電子分布を求めるものであり、原理的にナノメートルの空間分解能を持つ顕微鏡手法として有力である。今年度は、位相回復法と呼ばれる数学的手法に基づくブログラムを開発した。そして、ミラー集光光学系においても、透過強度分布からサンブルの電子構造を求めることが可能であることがわかった。