著者
加藤 行夫 田中 一隆 山下 孝子 英 知明 佐野 隆弥 辻 照彦 勝山 貴之 石橋 敬太郎 杉浦 裕子 真部 多真記 西原 幹子 松田 幸子 本山 哲人 岡本 靖正
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、主として英国初期近代(エリザベス朝およびジェイムズ朝)の演劇作品および当時の役者・劇団・劇場の総合研究を「歴史実証主義的立場」から新たに検証し直す作業を行なった。とくに「デジタルアーカイヴズ」を多用して、定説と考えられてきた既存の概念・理論を、現存する公文書や有力な歴史的基礎資料を根幹とした「検証可能な方法」で再検討し直すことを最大の特徴とした。この研究手法により、当時の劇作家、幹部俳優、劇場所有者、印刷出版業者等をはじめとした「演劇世界全般の相関的ネットワーク構築」の特徴的なありようを、演劇理論や劇作家と劇団研究、個々の劇作品とその出版等を通して追究した。
著者
佐野 隆弥
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

大学才人の劇作家たちが1580年代から1590年代にかけて生成・発展させた演劇文化および散文文化の状況を、歴史的・政治的・宗教的コンテクストにおいて調査分析し、エリザベス朝後期における演劇文化ならびに散文文化と英国国教会との関係を、取り分け動態的諸相に注目しながら実証的に記述した。今回のプロジェクトでは特に、大学才人の中でも英国国教会体制との繋がりが緊密だと考えられる3人の劇作家──ロバート・グリーン、クリストファー・マーロウ、ジョン・リリー──に焦点を絞り、彼等の劇作の有りように影響を与えた政治・宗教的側面の特質とその限界を具体的に明らかにした。
著者
佐野 隆弥
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文藝言語研究 文藝篇 (ISSN:03877523)
巻号頁・発行日
no.48, pp.109-123, 2005

1580年代後半から90年代前半にかけてイングランド史劇は第一の隆盛期を迎えるが、主題面から分類した時、主人公の英雄的行為や事績を取り分け前景化した一群の歴史劇の存在に気付かされる。対フランス戦におけるイングランド王や皇太子 ...