著者
奥田 慎平 保坂 道雄 笹原 和俊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回全国大会(2020)
巻号頁・発行日
pp.2E4OS1a05, 2020 (Released:2020-06-19)

近年、言語も生物と同様に文化進化することが知られており、その研究をする際に進化生物学のアプローチが有効となっている。本研究では、英語の完了形構文の進化に焦点を当て、haveとbeの助動詞選択で働いている進化駆動力を検出するために、3つの大規模な英語コーパスを用いて19個の対象動詞におけるbe/have+PP用法を分析した。時系列とともに2つの相対頻度を分析することからhave+PPの補助選択が動詞の性質と文法的な使用法に依存していることが確認できた。また、集団遺伝学で用いられている手法を進化言語学に応用したFrequency Increment testを適用することにより、多くのbe+PPからhave+PPへの変化は、方向的な選択の力が働いている可能性があることを明らかにした。