著者
西本 祥大 福田 仁 福井 直樹 上羽 佑亮 濱田 史泰 樋口 眞也 帆足 裕 細川 雄慎 古谷 博和 上羽 哲也
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10686, (Released:2019-10-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

要旨:症例は16 歳女性で,両側もやもや病の保存的加療中に過眠症発作を来した.過眠発作の形式と脳波所見はナルコレプシーに類似していたが,診断基準からはナルコレプシーの診断に至らず,中枢性過眠症と診断した.右大脳半球に血行再建術を行ったところ,過眠発作が消失したため,本症例はもやもや病による症候性過眠症と診断した.脳血管障害による過眠症は稀ではあるが,もやもや病と中枢性過眠症とでは血行動態に類似する点もあり,もやもや病による血行力学的脳虚血が中枢性過眠症を引き起こす可能性がある.
著者
福井 直樹
出版者
日本コミュニケーション障害学会
雑誌
コミュニケーション障害学 (ISSN:13478451)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.85-92, 2005-08-31 (Released:2009-11-19)
参考文献数
12
被引用文献数
1

現代言語学の基本目標を説明するとともに,20世紀における言語理論の進展を概説した.Saussureが「社会的所産」とみなした言語構造を人間の脳内に実在する機能(再帰的生成システム)ととらえ,それに関する明示的説明理論の構築を目指したのが生成文法理論であるが,「より深い説明」を目指す継続的試みが現在に至る理論的変遷の根本的原動力になっていることを論じた.その上で,言語学と言語障害学が将来さらに有機的に連携するためには,言語脳科学ともいうべき分野の確立が必須であるとともに,今までの生成文法理論には欠如していた「言語の社会性」を厳密に研究するためのモデル構築が望まれるということも指摘した.
著者
西本 祥大 福田 仁 福井 直樹 上羽 佑亮 濱田 史泰 樋口 眞也 帆足 裕 細川 雄慎 古谷 博和 上羽 哲也
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.94-99, 2020 (Released:2020-03-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

要旨:症例は16 歳女性で,両側もやもや病の保存的加療中に過眠症発作を来した.過眠発作の形式と脳波所見はナルコレプシーに類似していたが,診断基準からはナルコレプシーの診断に至らず,中枢性過眠症と診断した.右大脳半球に血行再建術を行ったところ,過眠発作が消失したため,本症例はもやもや病による症候性過眠症と診断した.脳血管障害による過眠症は稀ではあるが,もやもや病と中枢性過眠症とでは血行動態に類似する点もあり,もやもや病による血行力学的脳虚血が中枢性過眠症を引き起こす可能性がある.
著者
吉光 真人 上野 亮 松井 啓史 小阪田 正和 内田 耕太郎 福井 直樹 阿久津 和彦 角谷 直哉
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.143-147, 2020-08-25 (Released:2020-10-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1

われわれはLC-MS/MSを用いた迅速簡便な6種類防かび剤分析法を開発した.イマザリル,o-フェニルフェノール,チアベンダゾールに加えて,2011年以降に防かび剤としての利用が認められたフルジオキソニル,アゾキシストロビン,ピリメタニルを測定対象とした.迅速かつ簡単な分析法の確立を目指し,残留農薬分析法と抽出操作を共通化した.また,試料からの抽出液1 mLを充填剤量500 mgのOasis HLBカラムに負荷,アセトニトリル8 mLで溶出する精製法を採用した.次いで,オレンジ,グレープフルーツ,レモンに6種類の防かび剤を添加して添加回収試験を行ったところ,真度は89.7から100.0%,室内精度および併行精度はそれぞれ,1.5から5.0%,0.5から4.9%となり,食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドラインの目標値を達成した.定量限界は,o-フェニルフェノールでは1 mg/kg,その他の防かび剤では0.2 mg/kgとなり,防かび剤の基準値よりも低い値であった.本分析法の有用性を確認するため,2017~2019年に市販柑橘類の分析を行ったところ,検出された防かび剤は表示との整合性が確認された.また,基準値を超過する濃度の防かび剤が検出された検体はなかった.
著者
土井 彰 田村 耕三 小桜 謙一 福井 直樹
出版者
Japan Society for Equilibrium Research
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.447-452, 2006 (Released:2009-06-05)
参考文献数
24

A case of persistent primitive trigeminal artery with vertigo as the initial symptom is reported. The case was a 41-year-old female. Since 2002, the patient had repeated episodes of vertigo. In 2004, the patient experienced a loss of consciousness. No lesion causing dizziness was found by CT scan of the brain, MRI of the brain, ECG, brain wave examination, and a balance function test at the Department of Otolaryngology. Persistent primitive trigeminal artery and vertebrobasilar hypoplasia were suspected by MRA and the diagnosis was confirmed by angiography. It is advisable to consider MRA and angiography for vertigo or dizziness of unknown cause.
著者
西川 秀一郎 東野 秀紀 岡 裕士 渡辺 文 齊藤 祐貴 山口 早紀 福井 直樹 村上 仁志(MD)
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100721, 2013

【目的】当院では,二分脊椎症児の筋の未発達,及び発達筋の不均等によって生じる筋出力低下に対し,日頃から筋力トレーニングを積極的に行っている.しかし,小学生以下に対して筋力増強効果が期待できる負荷量では,疲労感や嫌悪感などから継続した筋力トレーニングが困難である場合が多く,適切な負荷量をかけられないのが現状である.近年,脊髄損傷患者に対する電気刺激(Electrical stimulation:ES)は有効なリハビリテーションとして期待されている.現に,Glinskyらは筋力トレーニングに電気刺激を併用することで,筋力増強効果を高める可能性があると報告している.また,小児脊髄損傷患者にESを実施した研究では,大腿四頭筋トルクの有意な増加を認めている(Karmel,1992).しかし,二分脊椎症患児に対し,電気刺激と筋力トレーニングを併用させた筋力増強効果の報告は散見される程度であり,本研究は二分脊椎症児に対して筋力トレーニングと大腿四頭筋へのESを併用した運動による筋力増強効果とそれに伴う運動機能への影響を調査した.【方法】対象者はKAFOを装用し独歩可能な外来通院している二分脊椎症児.脊髄運動最下髄節L4.(7歳,女児,110.8cm,体重17.9kg)であった.研究デザインはABデザインを採用した.(A)基礎水準期は端坐位にて徒手筋力計(OE-210)を用いた結果の50%の重錘を大腿四頭筋求心性・等張性収縮にて反復回数13回,週2日,4週間施行した. (B)操作導入期(ES期)はAの方法にESを併用した.電気刺激には伊藤超短波社製低周波治療器Torio300を用い,刺激部位は大腿四頭筋とした.刺激電極は,大腿伸側の正中面上で鼠径部から膝蓋骨上縁を4等分した上1/4と下2/4に刺激電極を貼付した.電極設置の際,皮膚のインピーダンスを減少させる為、アルコール綿にて前処置を行った.刺激パラメーターは,パルス幅0.2ms,周波数50Hzの双極性矩形波とし,通電時間10秒,休止時間20秒にて10分,電流強度は疼痛や不快感が出現しない最大強度とした.測定項目は,膝関節伸展筋力(伊藤超短波社製徒手筋力計OE-210),片脚立位時間,10m最大歩行時間,10m走行時間,歩幅,Time Up and Go test(TUG)とし,評価の時期は,基礎水準期前後,ES期終了時に測定した.膝伸展筋力(膝関節屈曲90°)の測定方法は,徳久らが開発したH固定法を採用した.歩幅の測定は,矢状面からデジタルビデオカメラで撮影し,imageJにて計測した.【倫理的配慮、説明と同意】参加者にはヘルシンキ宣言に基づき本研究の概要、公表の有無と形式、個人情報の取り扱いについて患児と患児の保護者に対して紙面と口頭にて説明を行い、研究参加同意書をもって同意を得る.【結果】ES期前後で全ての項目で改善がみられた.膝関節伸展筋力は(膝関節屈曲0°)右6.5kgから7.4kg、左3.7kgから4.1kg、(膝関節屈曲90°)右7.8kgから8.5kg、左3.2kgから5.0kg、に増大し、片脚立位時間は右20.45秒から23.02秒、左3.18秒から6.58秒に増大した。10m最大歩行速度は8.44秒から7.54秒に、10m走行時間は7.22秒から6.86秒に短縮した。歩幅は95.1cmから105.7cmに増大し、TUGは7.14秒から6.65秒に短縮した。【考察】DelittoらによるとESは過負荷と選択性というメカニズムから筋力を増強させると述べており、選択性の原則では、ESはタイプI線維よりもタイプⅡ線維を収縮させるため、同程度の収縮力の設定では生理的筋収縮よりもESの方が強い筋力増強効果が得られると報告している.本研究の結果からもESと筋力トレーニングを併用させることによりタイプI線維とタイプⅡ線維が同時に収縮したことで、筋力トレーニングのみより筋力増強効果が得られたと推測される.また,Daubneyらは膝伸展筋力が片脚立位時間に影響を与えると報告しており、膝伸展筋力が増強したことにより下肢の支持性が向上したことが片脚立位時間の延長につながったと考えられる。TUGについてBsichoffらは,下肢伸展筋力との有意な相関が認められたと報告しており、立ち上がり時に必要な膝伸展筋力が増強したことにより,立ち上がり時間の短縮が考えられる。歩行また走行時間について,膝伸展筋力の増強によりイニシャルコンタクト後の衝撃吸収を大腿四頭筋が円滑に遂行し、立脚中期の間の下肢支持性が向上したことが考えられる。【理学療法学研究としての意義】ESを併用した運動による筋力増強効果とそれに伴う運動機能への影響を調査し,理学療法介入において二分脊椎症児に対しESが筋力増強と運動機能への介入の有効性につながると考えられる。
著者
福井 直樹
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1_51-1_71, 1996 (Released:2008-10-03)
参考文献数
44

This paper argues that there are rather unexpected fundamental connections to be made between the principles of language and the laws governing the inorganic world. After summarizing the major development of economy principles in physics and the basic results of discrete optimization problems in combinatorial mathematics, I will argue that the economy principles which theoretical linguists are currently trying to discover in the theory of language are something comparable to the Principle of Least Action in physics. This provides us with a concrete interpretation of the point Chomsky has repeatedly made (Chomsky, 1991a,b, passim), i.e., language, despite its biological nature, shares the fundamental property of the inorganic world; it is designed for “elegance,” not for efficient use. I will then discuss the nature of two types of economy principles of language proposed in the literature, “economy of derivation” and “economy of representation,” from the point of view of the theory of computational complexity, and claim that the two economy principles exhibit quite different properties with respect to their computational complexities: economy of representation is efficiently solvable and therefore seems to be in the complexity class P in the sense of the theory of computational complexity, whereas economy of derivation is fundamentally computationally intractable and appears to belong to the class NP-P. How, then, can language be ever used, if its fundamental property (economy of derivation) poses an intractable optimization problem? I will suggest that language is equipped with certain mechanisms, the real-world counterparts of the “heuristic algorithms” studied in the theory of optimization, that facilitate its efficient use. Thus, to the extent that these mechanisms are available, language becomes usable, despite its fundamental computational intractability.
著者
福井 直樹 高取 聡 北川 陽子 起橋 雅浩 梶村 計志 尾花 裕孝
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.426-433, 2013
被引用文献数
3

農産物を主原料とした加工食品を対象として,迅速な農薬の一斉分析法を検討した.均一化した試料5 gに水5 mLを加えて室温で30分間放置後,アセトニトリル20 mLを加えてホモジナイズ抽出した.塩化ナトリウム1 gおよび無水硫酸マグネシウム4 gを加えて塩析・脱水した.分離した有機層をグラファイトカーボン/PSAカートリッジを用いて精製し,LC-MS/MSで測定した.93農薬について,白菜キムチ,マーマレード,レーズン,梅干しおよびウスターソースで添加回収試験(0.02および0.1 μg/g添加,5試行)を実施した.その結果,すべての食品において平均回収率70~120%(併行精度20%以下)を満たした農薬数は,61農薬であった.本法により市販の加工食品74品目について実態調査を行ったところ,2品目で食品衛生法の一律基準値を超過した.
著者
高取 聡 起橋 雅浩 北川 陽子 福井 直樹 岡本 葉
出版者
大阪府立公衆衛生研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

多岐にわたる加工食品を高脂質食品、低脂質食品、準農産物、ノンアルコール飲料及びアルコール飲料に分類して、これらに適用できる迅速かつ簡便な残留農薬一斉分析法を構築した。当該分析法を活用して市場に流通する加工食品中の残留農薬を分析した結果、食品衛生法の基準を超過する農薬を含む加工食品を検知し、販売者に自主回収を促した。また、消費者からの要請に基づいて風味異常を呈した食品から原因と推察される農薬を検出し、当該分析法の実用性を証明した。
著者
北川 陽子 起橋 雅浩 高取 聡 岡本 葉 福井 直樹 村田 弘 住本 建夫 尾花 裕孝
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.243-252, 2009
被引用文献数
1 9

GC/MS/MSを用いた加工食品中の残留農薬一斉分析法の検討を行った.試料に添加した農薬を酢酸エチルで抽出し,アセトニトリル/ヘキサン分配により脱脂を行った.さらにグラファイトカーボンブラック/PSA積層カラムにて精製を行い,GC/MS/MSにより測定を行った.258農薬について,5種類の加工食品(餃子,レトルトカレー,フライドポテト,鶏唐揚げ,白身魚フライ)を対象に添加回収試験(添加濃度0.02および0.1 μg/g)を行った.2濃度の添加回収試験において,両濃度で良好な結果(平均回収率70~120%,相対標準偏差 20% 以下)を示した農薬数は258農薬中184農薬であった.GC/MS/MSにおいては,試料由来の妨害成分の影響を受けにくく,低濃度においても精度の高い定量が可能であった.以上のことから,本分析方法は加工食品中の残留農薬を分析するうえで有用な方法であると考えられた.