著者
保母 恵 谷山 牧 山下 留理子 鳥本 靖子
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

地域包括支援センターにおける総合相談支援は、すべての活動の出発点となる最も重要な業務の一つである。保健・福祉の専門職が、専門性にかかわらず高齢者のあらゆる相談に応じ、必要な支援につなげるワンストップサービスを担っている。相談件数は増加の一途をたどっており、相談内容は多様化、複雑化しており、保健医療の専門知識だけでなく、幅広い知識と、支援スキルが求められる。しかしながら、地域包括支援センター保健師等を対象とした研修は少なく、多忙な業務の中研修を受ける機会も乏しく、力量不足を感じながら相談支援業務を行っていることが懸念される。そこで本研究では、地域包括支援センターで保健師等が必要とする個別支援スキルを明らかにし、必要なスキル習得のための教育プログラムを作成し、Web学習可能な教材を開発することを目的としている。方法として、教育プログラムを作成するにあたり、3年以上地域包括支援センターで経験ある保健師にインタビュー調査し、相談支援業務で用いているスキルを抽出し、その後、全国を対象に質問紙調査を行う。令和3年度は、これまで聴取できたインタビューデータを分析し、質問紙の作成を試みたが、追加のインタビュー調査が必要と判断され、調査協力者を再選定した。しかしながら、新型コロナウイルス感染症による活動自粛等の影響により、協力者の確保に難航した。そのため、調査地域を広げる手続きを行い、新たな調査協力者を確保し、追加の調査を開始した。
著者
谷山 牧 若林 和枝 保母 恵 渡部 瑞穂 岩上 さやか 藤田 千春
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

現在、日本では生活保護受給者(以後, 受給者)に対して福祉から就労に向けての支援が行われているが、受給者のうち就労可能と判断され支援を受けても,実際に就労し生活保護から外れるものはごくわずかである. また, 医師により就労可能との判断を得たものであっても, 身体的, 精神的, 社会的健康の準備状態が整っていないものも多い. 就労支援の内容は自治体によって異なり, 受給者の心身の準備段階や個別性に配慮した支援が十分に行われているとは言い難い状況である. 本研究の目的は, 生活保護受給者の就労に向けた心身の準備段階のアセスメントとその段階に応じた就労支援プログラムの作成と評価を行うものである.
著者
谷山 牧 山下 留理子 保母 恵 藤田 千春
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

比較的若い世代の生活保護受給者の就労意欲に影響を与える健康特性を検討した。当事者インタビューの結果、健康特性として【他者から理解されがたい持続的な苦痛】【精神的防御力の低さ】【社会的適応力の低さ】【自己流の健康管理】があり、これらはトラウマティックストレスにより引き起こされている可能性が考えられた。このうち、【精神的防御力の低さ】【社会的適応力の低さ】の改善を目指し、トラウマ・インフォームド・アプローチを基盤とした「ストレス対処講座」を作成し、評価を行った。参加後、自覚的健康度や自尊感情には有意な変化はなかったものの、不安・不確実感の有意な軽減が認められ、ストレス反応の改善傾向が示された。