- 著者
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坂田 利家
倉田 一夫
伊藤 和枝
藤本 一真
寺田 憲司
衛藤 宏
松尾 尚
- 出版者
- 公益社団法人 日本栄養・食糧学会
- 雑誌
- 日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.4, pp.271-277, 1987 (Released:2010-02-22)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
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行動療法としての食事確立療法に固形食化超低エネルギー食を導入し, 8名の中等度肥満患者の減量効果およびその維持について検討した。全治療期間, すなわち初診時より治療後12カ月までの平均体重減少は-20.6±7.8kg, 入院による併用療法実施期間中では-5.7±0.7kg, 退院後12カ月間の維持期間でも-4.3±2.5kgであった。空腹感および血清脂質類は正常化され, 脂肪細胞容積の縮小と体総脂肪量の減少を認めた。この減量効果とその維持はこれまでのどの成績よりも優れていた。以上の本併用療法による好結果は両療法の治療的相乗効果による。なかでも, 超低エネルギー食を液体食に代えて固形食化したことで, 低エネルギー摂取でも咀嚼法を実施でき, したがって十分な満腹信号を視床下部中枢へ送れたと考えられること, また, 今回用いた栄養組成がβオキシ酪酸の血中濃度を至適に上昇させたため, 空腹感を抑え摂食量を減少させたことなど, これらが認知能の変容を起こさせるのに重要な要因になったと考えられた。