著者
問田 千晶 六車 崇 賀来 典之 塚原 紘平 安達 晋吾 光銭 大裕 新田 雅彦 野坂 宜之 林 卓郎 松浦 治人 守谷 俊
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.57-61, 2022-02-28 (Released:2022-02-28)
参考文献数
9

目的:オンライン型PPMECコース用の教材を作成し,オンライン型PPMECコースの理解・満足度と課題について検証した。方法:オンライン型PPMECコース受講前後のアンケート結果を用いて,新規教材およびオンライン型PPMECコースの理解度と満足度を量的に分析した。完全満足評価群と他評価群の2群比較および多重ロジスティック回帰分析を実施し,オンライン型PPMECコースの満足度に影響する因子を抽出した。結果:オンラン型PPMECコースは少数のインストラクターで多数の受講生に対して実施でき,一定の理解度と満足度を得ていた。完全満足群では教育内容を「十分に理解できている」と回答した受講生の割合が高かった。また,コースの満足度には「小児の評価」および「小児basic airway」の理解度がコース評価に有意に影響していた。結論:オンライン型PPMECコースは受講生の満足度と理解度を得ることにつながっていたが,理解しやすい教育教材への改良などによりコースの質を向上させることが課題である。
著者
金子 仁 Cecchini Nicole M. 清水 敬樹 光銭 大裕 堀越 佑一 松吉 健夫 鈴木 大聡 佐藤 裕一 三宅 康史
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.844-851, 2022-10-31 (Released:2022-10-31)
参考文献数
20

アメリカ合衆国パラメディックは,病院前救護で多彩な医療行為を実践する。このパラメディックを養成する1施設の調査を行った。全米標準カリキュラムに基づいた教育プログラムと学生64名の臨床経験を調査した。課程期間44週間で学生は516時間の講義とシミュレーション手法を含む実習,病院実習234時間(以下,中央値),救急車同乗実習329時間,救急車でのインターンシップ80時間を経験した。この間,学生は成人患者136人,高齢者82人,小児43人の傷病者・患者,それに伴う病態を多数経験した。指導および監督下で,学生は実際の傷病者・患者に対して経口気管挿管5回,静脈路確保86回,薬剤投与106回を含む侵襲的処置を実施した。救急車同乗実習では学生が主体でチーム指揮,傷病者対応を行う実践的実習が実施されていた。米国の標準的パラメディック養成教育は長時間の病院と救急車での臨床的経験を提供し,侵襲的処置を自ら判断,実施するon-the-job教育が行われている。