著者
森 貴子 問田 千晶 六車 崇 齋藤 千恵子 横尾 由希子 金子 節志 稲元 未来 橋本 圭司
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.107-114, 2017-03-01 (Released:2017-03-16)
参考文献数
10

当施設PICUでは,2013年より重篤小児に対する早期リハビリテーション充実へ向けた取り組みを開始した。取り組み導入による効果を検証し,課題を呈示する。【対象と方法】PICUに3日以上滞在した16歳未満の小児に対する早期リハビリテーションの効果,施行率,PICU医師と看護師に対する意識調査を行った。【結果】重篤小児に対する早期リハビリテーションによる効果は実証できなかった。効果を認めなかった要因としては,リハビリテーション施行率の低さ,リハビリテーションに関する知識不足,理学療法士との協力体制の不備,効果の判定方法の問題が示唆された。【考察】今後は,小児の年齢や発達に応じた評価指標に基づき,リハビリテーションの効果を客観的に評価するとともに,年齢,疾患および重症度ごとに検証する必要がある。
著者
問田 千晶 六車 崇 賀来 典之 塚原 紘平 安達 晋吾 光銭 大裕 新田 雅彦 野坂 宜之 林 卓郎 松浦 治人 守谷 俊
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.57-61, 2022-02-28 (Released:2022-02-28)
参考文献数
9

目的:オンライン型PPMECコース用の教材を作成し,オンライン型PPMECコースの理解・満足度と課題について検証した。方法:オンライン型PPMECコース受講前後のアンケート結果を用いて,新規教材およびオンライン型PPMECコースの理解度と満足度を量的に分析した。完全満足評価群と他評価群の2群比較および多重ロジスティック回帰分析を実施し,オンライン型PPMECコースの満足度に影響する因子を抽出した。結果:オンラン型PPMECコースは少数のインストラクターで多数の受講生に対して実施でき,一定の理解度と満足度を得ていた。完全満足群では教育内容を「十分に理解できている」と回答した受講生の割合が高かった。また,コースの満足度には「小児の評価」および「小児basic airway」の理解度がコース評価に有意に影響していた。結論:オンライン型PPMECコースは受講生の満足度と理解度を得ることにつながっていたが,理解しやすい教育教材への改良などによりコースの質を向上させることが課題である。
著者
篠原 真史 六車 崇 問田 千晶 嶽間澤 昌泰 安部 猛 竹内 一郎
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.654-658, 2021-10-31 (Released:2021-10-31)
参考文献数
15

目的:救急搬送に占める小児傷病者の割合は少なく,病院前における小児対応の機会が十分であるとはいえない。小児外傷における病院前でのバイタルサイン記録率と処置の実態を調査し,年齢による違いを分析した。方法:当救命救急センターに現場から直接搬送された18歳未満の小児外傷傷病者を対象として,診療録の後ろ向き調査を行った。結果:対象は80例。いずれかのバイタルサインが未記録の症例は18例(23%),処置未実施の症例は29例(36%)。多重ロジスティック解析では,年齢がバイタルサイン記録完成に有意に関連し,年齢が高いほど未完成は少なかった〔odds ratio(OR):95% confidential interval(CI)0.834:0.749-0.929〕。また病院前における処置も高年齢であるほど未実施が少なかった(OR:95%CI 0.838:0.761-0.924)。結論:小児外傷傷病者において,年少の児では病院前バイタルサイン記録率が低く処置実施が少なかった。改善には救急隊員の教育的介入や装備の充実が必要である。