- 著者
-
児玉 康一
- 出版者
- 愛知教育大学
- 雑誌
- 挑戦的萌芽研究
- 巻号頁・発行日
- 2009
本研究計画期間内に下記の携帯電話ソフト3種を開発した。1.色情報のリアルタイムな変化を音楽(和音のアルペジオ)として表現するソフト。携帯電話内臓カメラからリアルタイム画像を取得する事が困難であったため、カラーセンサと赤外線通信モジュールをワンチップマイコンで制御し、カラーセンサで取得したリアルタイムの色情報を、赤外線通信を使って携帯電話に送信するハードウェアを作成した。開発したソフトはこのハードからの色情報を音楽として表現するものである。これを使えば、透過光量を測るだけの従来型の感光器では識別困難な、BTB溶液の青と緑の識別を明確にできる事を確認した。盲学校の理科実験での試用には至っていないが、準備はほぼ完了しており今後行っていく予定である。2.携帯電話内臓のカメラを使って撮影した画像の中央部の色(RGB値)を認識し、これに応じた色の名前を、携帯電話の音楽再生機能を使って、読み上げるソフト。色の名前は、視覚障碍の生徒と晴眼者とのコミュニケーションに有効であり、いろいろなものの色を調べるのに使える。3.携帯電話内蔵のカメラを使って7セグメントデジタル表示の数値を認識し数値として読み上げるソフト。これを使えば、音声出力に対応していない各種測定器(pH,重量等)に対して簡単に音声出力機能を付加する事ができる。「市販されている安価な測定器を盲学校の理科実験で使えないか?」という盲学校の先生の要望を形にしたものである。いずれのソフトも、DoCoMoのiアプリでの実装と動作確認は完了している。今後、盲学校の先生への広報はもちろん、より多くの人に使ってもらえる様に、SoftBankのS!アプリなど、他の携帯電話への実装を引き続き行っていく。