著者
石黒 勝己
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.258-262, 2018 (Released:2019-11-28)
参考文献数
10

春日古墳(奈良県斑鳩町)は,古墳時代後期の豪華な馬具や未盗掘の石棺の発見で著名な藤ノ木古墳に近接する直径約30 mの円墳である.この古墳は位置的にも時期的にも藤ノ木古墳との比較に興味が持たれているが,これまで発掘が行われていないことから,埋葬施設に関して不明であった.今回春日古墳墳丘外部に原子核乾板を検出器として設置しミューオンラジオグラフィーによる内部埋葬施設の検出を試みた.調査結果として,墳丘内部中心方向にミューオン透過量が高く土の厚さが薄い領域があることを検出した.これは,古墳中心部南北方向に奥行き6.1±0.5 mの空洞の存在を示す結果である
著者
石黒 勝己
出版者
奈良県立橿原考古学研究所
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

宇宙線ミューオンによる墳丘内部の計測をすることで春日古墳の内部3D画像を作成、内部埋葬施設の検出や構造の解析をした。さらに結果を用いて周辺に存在する藤ノ木古墳と比較研究を行った。西乗鞍古墳では作成した画像を電磁探査による探査結果とも比較して埋葬施設位置の特定に役立てた。これらの測定は検出器である原子核乾板の弱点であった熱に弱く夏季の使用が難しいという点を技術開発によって克服したうえで行った。さらに改善点を生かしてこれまでに箸墓古墳及び日本の古い塑像の計測データも取得することが出来た。
著者
石黒 勝己
出版者
奈良県立橿原考古学研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2016-04-22

春日古墳(奈良県斑鳩町)を対象にしたミューオンラジオグラフィーに関して、画像の分解能を上げるために計測期間を3ヶ月間に延ばして観測を行った。さらに画像化の方法も最適化し、春日古墳墳丘内部画像の作成を行った。画像には埋葬施設による空洞と思われる領域があり、この評価を行うために、シミュレーションを行って古墳内構造の具体的な検討をした。墳丘の外形測量データに対し、色々な大きさ、方向の埋葬施設を墳丘内部に仮定してコンピューター上でミューオン計測を再現、どのような空洞を仮定したときに計測データと最も合うかを検討することで是を行った。結果として 古墳中心部分、南南西からに北北東方向に長さ6.1±0.5m,高さ2.0m,幅1.8mの空洞を想定した場合に最もデータと合うものであった。この結果は考古学者によって構成される春日古墳調査検討委員会および物理学の国際会議であるICMaSS2017で発表し高く評価された。また、観測に際し原子核乾板を固定して設置する治具の開発をした。野外にフィルム(原子核乾板)を垂直に縦置きして長期間固定する必要があるがフィルム取り換えが容易にできることも必要である(放射線の蓄積などによってフィルムが劣化することによる)。これに対応する冶具の設計としてレール加工をした冶具ににフィルムを貼り付けたアルミ板を差し込む構造を考案し製造した。冶具は 野外に土地の改変無く設置でき、斜面にも設置できるなど古墳特有の要求を満たすものになっている。
著者
青木 茂樹 井上 達貴 尾崎 圭太 小坂 哲矢 柴山 恵美 鈴木 州 高橋 覚 立石 友里恵 田中 僚 田輪 周一 原 俊雄 水谷 深志 薮 美智 山田 恭平 児玉 康一 斎藤 芳隆 田村 啓輔 濱田 要 吉田 哲也 佐藤 禎宏 手塚 郁夫 伊代野 淳 山本 紗矢 石黒 勝己 大塚 直登 河原 宏晃 北川 暢子 駒谷 良輔 小松 雅宏 﨏 隆志 佐藤 修 中 竜大 長縄 直祟 中野 敏行 中村 光廣 丹羽 公雄 宮西 基明 森下 美沙希 森島 邦博 吉本 雅浩 六條 宏紀 Aoki Shigeki Ozaki Keita Kosaka Tetsuya Shibayama Emi Suzuki Atsumu Takahashi Satoru Tateishi Yurie Hara Toshio Mizutani Fukashi Yamada Kyohei Kodama Koichi Saito Yoshidata Tamura Keisuke Hamada Kaname Yoshida Tetsuya Sato Yoshihiro Tezuka Ikuo Iyono Atsushi Ishiguro Katsumi Otsuka Naoto Kawahara Hiroaki Kitagawa Nobuko Komatani Ryosuke Komatsu Masahiro Sako Takashi Sato Osamu Naka Tatsuhiro Naganawa Naotaka Nakano Toshiyuki Nakamura Mitsuhiro Niwa Kimio Miyanishi Motoaki Morishima Kunihiro Yoshimoto Masahiro Rokujo Hiroki
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
大気球シンポジウム: 平成27年度 = Balloon Symposium: 2015
巻号頁・発行日
2015-11

大気球シンポジウム 平成27年度(2015年11月5-6日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所 (JAXA)(ISAS)), 相模原市, 神奈川県著者人数: 41名資料番号: SA6000044043レポート番号: isas15-sbs-043