著者
八尋 克郎 亀田 佳代子 那須 義次 村濱 史郎
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.15-23, 2013-01-05

滋賀県琵琶湖の竹生島でカワウの巣の昆虫を調査したところ,27種に属する466個体の昆虫類が採集された.鞘翅目が最も多く,すべての昆虫類の35.1%を占めた.鞘翅目のうち個体数の多い上位4科はゾウムシ科,コブスジコガネ科,ガムシ科,カツオブシムシ科で,合計個体数が148個体,全鞘翅目の90.8%を占めた.カワウの巣の昆虫相は主に生態系の腐食連鎖系に属する腐食性昆虫で構成されることが明らかになった.チビコブスジコガネ(コブスジコガネ科)は48個体確認されており,巣内の幼鳥の古い死体やペリット,食べ残しなどの分解者として重要な役割を果たしていると考えられる.