著者
岩崎 稔 八尾師 誠 今井 昭夫 金井 光太朗 篠原 琢 米谷 匡史 工藤 光一 小田原 琳 土田 環
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

東アジアを中心とした集合的記憶の動態を、「自己確証的想起」及び「脱中心化的想起」という対概念を方法論として解明した。また分析地域を拡大し、ジェンダー論等の具体的成果の再定義や表象文化分析を行った。その結果、集合的記憶の脱中心化的機能は、ナショナル・アイデンティティを相対化・異化し、支配・被支配関係を転換する効果を持つことが明らかになった。脱中心化的想起という視点を通して、正統的歴史叙述から排除された「消去された声」の再生だけではなく、集合的記憶の動態の中に起こりうるイデオロギーを超えた自己撞着や恣意的操作、アイデンティティポリティクスへの批判的な分析視点をより明確に提示できるようになった。
著者
岩崎 稔 八尾師 誠 大川 正彦 今井 昭夫 工藤 光一 金井 光太朗 小川 英文 米谷 匡史 篠原 琢 藤田 進 岩田 重則
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

国民国家内とそれを越える広域的空間として、南北アメリカ、アイルランド、ドイツ(旧東ドイツを含む)、オーストリア、フランス、イタリア、ベトナム、北朝鮮、韓国、中国、沖縄、日本を選択し、それらの「想起の文化」つまり過去の想起のあり方が、グローバル化・新自由主義の影響によって、大きく変容を遂げていることを、理論・方法論の構築ならびに事例解釈・思想史的分析を通じて明らかにした。それらの成果は世界各地の国際シンポジウム等で発表され、論文・著作として公刊された。