著者
高橋 修 八谷 好高
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.713, pp.131-144, 2002-08-22 (Released:2010-08-24)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

空港着陸帯の地表面には, 航空機を安全に運用するために植生が施工されており, わが国においては, 植物種として主に芝草類の地被植物が用いられている. そして, その管理業務として年に数回の草刈りと刈り取った草の処分が行われている. 空港では植生の施工面積が広大であるため, 植生管理に要する費用が多大なものとなっている. 本研究では, わが国の空港全般における植生管理の実状を調査したうえで, 空港着陸帯における植生管理のコスト縮減を目的に, 空港緑地に適した植物種について検討を行った. その結果, 維持管理のコストを効率よく縮減させるには, 現在使用されている芝草類に固執することなく, 矮生でほふく性能に優れた植物種を新たに導入する必要があることを明らかにし, そのための有望植物種を具体的に見出した.
著者
元野 一生 村永 努 八谷 好高 梶谷 明宏 加納 孝志
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.518-531, 2007

ブリスタリング等の破損が広範囲で生じた福岡空港の滑走路舗装に対して,航空機の運航に影響を及ぼすことなく,しかも日々の工事終了直後に大型航空機が高速,高頻度で走行するとの条件の下で,切削オーバーレイによる大規模補修を実施した.その補修方法ならびに施工管理方法については,一連の室内試験ならびに試験施工により定めた.すなわち,材料としてはアスファルト混合物に改質アスファルトII型と中温化添加剤を用いること,基層には大粒径骨材を用いること,さらに改質乳剤によるタックコートを使用することを基本とし,供用開始時刻の1時間前における舗装表面温度を60℃以下にするという施工管理方法を採用した.この方法により補修を行った箇所において,供用開始後に実施した舗装表面性状に関する追跡調査によりその有効性を確認した.
著者
石川 達也 三浦 清一 横濱 勝司 亀山 修一 川端 伸一郎 小野 丘 安倍 隆二 関根 悦夫 八谷 好高
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、凍結融解作用を受ける粒状路盤の力学特性の試験方法を提案するとともに、凍結時及び凍結融解後の粒状路盤の力学挙動を把握し、舗装構造の理論的設計方法を用いて、凍結融解に伴う粒状路盤の性能変化が道路舗装の疲労寿命に及ぼす影響を検討した。この結果、粒状路盤が凍結融解作用を受けた場合、支持力特性のような力学的な性能が変化し、疲労寿命のような走行路構造の長期性能に強く影響を及ぼすことを明らかにした。
著者
佐々木 厳 森吉 昭博 八谷 好高 永岡 紀行
出版者
Japan Petroleum Institute = 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.33-37, 2006-01-01
被引用文献数
21

水分による歴青系舗装の損傷は,表面や路床から液状浸入した水が原因であると考えられてきた。しかし,滑走路等のアスファルト舗装表層は実質的に不透水であることが多い。したがって,著者らは大気中の水蒸気(湿気)がこれらの要因であると考え,この検証のために新しい透湿試験装置を開発した。透湿試験から,たとえ表層材料が実質的に不透水性であっても,典型的な夏の暑い日の気象条件においては水蒸気透過による物質移動により大気中の水分が透過し,凝縮した水分が混合物中に多量に蓄積しうることが明らかとなった。試験装置や試験条件に関してさらなる改良を加えることが必要であるものの,透湿試験は水分蓄積メカニズムの解明とブリスタリング現象等の水分に関連する損傷を評価する有効な試験方法である。<br>