著者
川村 志麻 三浦 清一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学) (ISSN:21856516)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.643-657, 2012 (Released:2012-10-19)
参考文献数
39

海岸斜面の侵食およびそれに起因する被害が,世界的にも数多く報告されている.特に,英国や米国,カナダに分布する氷成堆積土や,未固結な地盤から構成される海岸崖では,波の侵食作用により崩落・崩壊が生じており,重要課題として取り沙汰されている.本研究では,低気圧などの暴風時の波浪によって突発的に侵食が進行するケースを対象とし,未固結な地盤からなる海岸斜面の波の侵食作用に起因する斜面崩壊の可能性を調査している.はじめに波の侵食作用が著しい北海道東部の海岸斜面の力学挙動を解明し,次いで1G場および遠心力場の模型実験から,波の侵食作用による斜面後退距離の推定と崩壊機構を検討している.得られた結果と考察から,波の侵食作用に起因するノッチの後退距離を考慮した斜面安定評価法を提案している.
著者
Timpong Sahaphol 三浦 清一 屋良 航志 山木 正彦
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.435-436, 2004

北海道十勝沖を震源とする2003年十勝沖地震(マグニチュード8.0)の発生により,北海道各地において地盤や構造物に甚大な被害が見られた.特に,火山灰地盤の液状化による大規模な地盤災害が顕著であった.本研究では火山灰地盤の動的変形特性を明確にするために,一連のベンダーエレメント試験と微小ひずみ領域での繰返し三軸試験が実施された.特に,火山灰粗粒土の粒子破砕,間隙比,有効拘束圧及び細粒分含有率がせん断剛性率に及ぼす影響が調べられた.得られた試験結果を基に,種々の火山灰土の実用的な予測式が提案されている.
著者
石川 達也 三浦 清一 横濱 勝司 亀山 修一 川端 伸一郎 小野 丘 安倍 隆二 関根 悦夫 八谷 好高
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、凍結融解作用を受ける粒状路盤の力学特性の試験方法を提案するとともに、凍結時及び凍結融解後の粒状路盤の力学挙動を把握し、舗装構造の理論的設計方法を用いて、凍結融解に伴う粒状路盤の性能変化が道路舗装の疲労寿命に及ぼす影響を検討した。この結果、粒状路盤が凍結融解作用を受けた場合、支持力特性のような力学的な性能が変化し、疲労寿命のような走行路構造の長期性能に強く影響を及ぼすことを明らかにした。