著者
谷辺 徹 小澤 満津雄 鎌田 亮太 内田 裕市 六郷 恵哲
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.104-117, 2014 (Released:2014-03-20)
参考文献数
44
被引用文献数
1 1

本論文では,高温環境下での高強度コンクリートの耐爆裂性評価における爆裂発生指標を提案した.すなわち,拘束リングにコンクリートを打設した供試体の一面加熱試験を実施した.この試験により,拘束条件下のコンクリートの爆裂規模を評価できた.拘束リングの円周方向ひずみの計測値から,円筒モデルよりコンクリートの拘束応力分布を推定した.その結果,加熱面からの断面深さ方向の温度分布に比例した応力分布が得られた.爆裂発生指標では,引張破壊のひずみ限界値を用いたひずみ破壊指数と爆裂破壊指数を提案した.本論文では,ひずみ破壊指数に着目した.試験で得られた爆裂進行深さの経時変化とひずみ破壊指数で評価した爆裂進行深さを比較した.その結果,爆裂開始時間と爆裂進行過程を評価可能であることがわかった.
著者
淺野 雅則 鎌田 敏郎 国枝 稔 六郷 恵哲
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.760, pp.213-222, 2004-05-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

本研究では, 打撃により生じるコンクリート部材の共振現象と, 打撃音として計測される波動現象の関係について検討を行った. 検討に際しては, 曲げ試験用供試体 (棒部材) と実構造物レベルのスラブ供試体 (板部材) を用いて, たわみ共振現象と縦波共振現象に着目した実験を行った. 打撃音とともに, 供試体表面の振動も同時に計測し, 打撃音と表面振動の関係を周波数特性を用いて詳細に検討した. これらの結果より, 棒部材では, 打撃音によってたわみ・縦波の両共振現象が評価できるが, 板部材ではたわみ共振現象が卓越して評価できることが示された. この違いは, 共振特性に関係しており, たわみ共振現象が縦波共振現象に比べて十分大きな振幅となるためであることがわかった.
著者
鈴木 雅博 酒井 博士 孕石 孝平 六郷 恵哲
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13477560)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.121-126, 2001-06-08

耐衝撃部材は,安全性を確保するために衝撃作用下の部材の靱性を向上あるいは変位復元性を向上させる必要がある。これを実現するため,短繊維補強PCはりを提案した。本研究では,その衝撃特性を把握するために,短繊維の有無及びプレストレス量を変化させた部材を作製し,落下高さを漸増させる重錘落下試験を実施した。その結果,短繊維補強PCはりは,(1)短繊維補強をしていないPCはりと比較して最大支点反力が増加し,かつ,塑性域でのはりの残留変位が小さくなり高い復元性を示すこと,(2)部材損傷を小さくする効果があること,等が認められ,耐衝撃性能の向上が認められた。