著者
谷口 初美 山田 美恵子 内藤 知佐子 内海 桃絵 任 和子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.2_71-2_79, 2014-06-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
34

【目的】新人看護師のリアリティ・ショックの現状を理解し,大学から臨床へのスムーズな移行を促す看護基礎教育のあり方を探ること。【研究方法】A大学を卒業後,A大学の附属病院に就職した新人看護師10名を対象に,質的研究の記述的現象学を用い実施した。本研究はA大学医学部とA大学病院看護部の倫理委員会の承認を得て実施した。【結果】新人看護師のリアリティ・ショックの要因として,①求められる能力のハードルが高すぎ,何もできない自己に対するショック,②職場における先輩との人間関係がクローズアップされ,基礎教育のときから臨床現場に即した看護ケア,high riskケアと接遇の必要性が明らかになった。【考察】安全で質の高い臨床実習を保障するため先進国が実施している大学と臨床が協働で取り組むシミュレーション教育のシステム構築の必要性が示唆された。
著者
竹下 悠子 山川 みやえ 内海 桃絵
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.234-240, 2021 (Released:2021-10-06)
参考文献数
17
被引用文献数
1

目的:手指衛生教育用にバーチャルリアリティ(VR)を開発し,教育への使用可能性について2次元映像と比較した.方法:看護師を対象に非無作為化比較試験を行った.VR群と2次元映像群に分け映像視聴と講義を行った.映像の評価は視聴直後に,手指衛生のタイミングは視聴前後,1か月後に調査した.結果:VR群と2次元映像群の比較では,映像の5件法の評価(中央値)は手指衛生の重要性が理解できた(5.0, 4.0 p = .024),実践を想起した(5.0, 4.0 p = .008),学習方法は効果的だった(5.0, 4.0 p = .046)であった.タイミングの「患者周囲の環境に触れた後」と記述できた割合はVR群で視聴前30%に比べ視聴後90%(p = .040),1か月後60%(p = .233)であった.2次元映像群では視聴前20%に比べ視聴後80%(p = .040),1か月後80%(p = .004)であった.結論:VR群では重要性の理解,実践の想起,学習の効果の評価が高かった.VRは手指衛生教育に使用可能と考える.