著者
鎌田 信一 柿市 徳英 本澤 明彦 大塚 宏治 内田 和夫
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.12, pp.1228-1233, 1992

アクサルアミド(ACR)のメタン発酵に対する影響試験を試みたところ,ACR 3.3mg/l以上で発生ガス量が極度に低下した.このメタン発酵スラッジからACR耐性通性嫌気性菌の分離を試みた結果,ACRに対する最小発育阻止濃度(MIC)が20,000mg/lの<i>E</i>. <i>coli</i> SK-1株が分離された.また,本菌株はACRを炭素源として利用することが明らかにされた.さらに,本菌株をPVA-硼酸法により固定化し,ACRの分解を調べたところ,4日間で52%が分解された.以上より,メタン発酵は微量のACRの存在で阻害されることが明らかとされた.また,ACRにより馴化したメタン発酵スラッジ由来の<i>E</i>. <i>coli</i> SK-1は固定化したバイオリアクターとしての応用の可能性が示唆された.
著者
中村 博幸 内田 和夫
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.1-13, 2009-03-30

大学教育が転換を迫られて久しい。それは、学問の成果を伝授する大学から、学生が学習を進めるための大学への転換であり、大学自体も3つの類型へと分化する。大学・学生類型によって、学生の特性とそれに応じた教育の重点は異なる。カリキュラムの重視が要請される。教育目標とそれに沿った科目構成と科目内容、学生類型にマッチし、学習階梯をしっかり組んだものが求められる。初年次教育の重視も大事となる。「生徒から学生になること」を目標に、接続教育、転換教育、導入教育、の視点を踏まえる必要がある。それが2年次以降の学生生活の充実につながる。 ゼミナールは、卒業論文の執筆も含め、研究プロセスの体験に教育目標がある。それが4年間のゼミナールで達成されるよう学習階梯をしっかり組むべきである。1年と2年のゼミナールでは、大学での学びの考え方と習慣の獲得、リサーチ・スキルの習得、研究プロセスの体験・習得が柱となる。2年次のプレゼミナールは専門プレゼミナールと位置づけ、所属コースの専門分野の基礎を学び味わいつつ、リサーチ・スキルの習得、研究プロセスの体験・習得を再度積み重ねるものと考えると役割が整理できる。これからのゼミナールの視点と方法としてはアクティブ・ラーニングという考え方が重要となろう。