著者
児島 完二 内田 幸夫
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.74-74, 2008

eコマースの進展とともにWebサイトでの消費者による意見や評価データが活発化している。特に、顔が見えない相手との取引には、ネット上での口コミが大きな影響を与えるものと考えられる。AmazonやSNSでのレビュー例を見るまでもなく、その評価方法は多岐にわたる。ユーザからサイトに寄せられる情報の量と質が運営するサイトの価値を高めており、これらを収集するために運営サイト側はインセンティブを与える工夫をしている。本稿では、不特定対数の意見が実態を正確に表現しているかに着目し、その活用方法について考察する。まず、Webでのレビュー評価の分類・調査をし、従来の記述式アンケート調査に代わるものとして、ネットでのアンケート調査は可能であるかどうかを論ずる。また、多くのユーザの意見をできるだけ正確に反映させる方法について考察する。特に、ベイジアンフィルターや「市場経済法」として評価者のインセンティブとの関連性に注目する。
著者
細井 真人 内田 幸夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.37, pp.37-42, 2006-03-28
被引用文献数
2

マルチエージェント・モデルを経済学や経営学の分野に適用するためには、進化や創発などの現象を観察するのみでなく、パラメータやルールなどの変化がシミュレーション結果に影響を及ぼすか否かの仮説検定による判定が必要である。本報告では、Sugarscapeモデルを例として、数値分布表による仮説検定をマルチエージェント・シミュレーション分析で行った。この仮説検定法は母集団の理論的確率分布を必要とせず、また、対立仮説の検定に必要とするシミュレーション回数を高々数回に抑えることができる。故に、マルチエージェント・シミュレーション分析において数値分布法は有効である。In order to apply a multi-agent based model to the field of economics or business administration, it is inadequate just to observe phenomena, such as evolution and emergence. It is necessary to judge whether change of a parameter, a rule, etc. affects a simulation result. The method of testing hypothesis in a multi-agent based simulation is required for it. In this report, the Sugarscape model was used for explanation. Testing hypothesis in multi-agent based simulation analysis was performed using a numerical table of the probability distribution. Testing hypothesis by the numerical probability distribution method does not need the theoretical probability distribution of the population. Moreover, the simulation frequency that is necessary for the authorization of the alternative hypothesis can be suppressed to at most several times. Therefore, the numerical probability distribution method is effective to the multi-agent based simulation analysis.