著者
下野 純平 冨樫 千秋 青木 君恵 菅谷 しづ子
出版者
千葉科学大学
雑誌
千葉科学大学紀要 = The university bulletin of Chiba Institute of Science (ISSN:18823505)
巻号頁・発行日
no.11, pp.143-149, 2018-02

目的:定期試験において一定基準に到達することができなかった看護学部3年生の学生を対象に行った、学習計画立案フォーマットを用いた学習支援の効果を明らかにし、今後の看護学部学生へのよりよい学習支援を検討することを目的とした。方法:本学看護学部3年生に在籍し、学習計画立案フォーマットを用いて学習支援を受けた学生4名に半構成的面接を実施し、逐語録を質的帰納的に分析した。結果:【面倒くささと気にかけてもらえている嬉しさ】【学習計画立案フォーマットを用いた学習支援に助けられたという実感】【目標に向かって計画的に学習に取り組めたという実感】【学習日記を書きたくないという思い】【学生なりの学習計画立案フォーマットの活用方法の発見】【学習継続に向けた学生それぞれの学習計画立案フォーマットの改善点の発見】【学習計画立案フォーマット使用対象者拡大の可能性】の7つのカテゴリーが抽出された。考察:対象者は継続して学習に取り組めていたことから、学習計画立案フォーマットを使用した学習支援は効果があったと考えられた。その一方で、対象を拡大する場合には、対象学生の学力や学習への主体性などを加味し、再度フォーマットを検討する必要がある。
著者
本島 茉那美 冨樫 千秋 土井 徹 境 俊子
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.7-16, 2017-04-30 (Released:2017-08-14)
参考文献数
28
被引用文献数
2

本研究では,関東圏内200床以上を持つ病院46施設に勤務する既婚女性看護師632名を対象に,既婚女性看護師のワーク・ライフ・バランス(WLB)の満足感とその関連要因を明らかにするために,質問紙調査を実施した。分析にはχ 2乗検定,Mann WhitneyのU検定を行った。WLBの満足感の関連要因は,「所属部署」,「超過勤務時間」,「運動習慣の有無」,「家族とのコミュニケーションの有無」,「研修への参加の有無」,「ロールモデルの有無」,「目標の有無」,「キャリアプランの実施の有無」,「職業継続意思の有無」,「制度利用の有無」,「職務満足度」とその下位尺度(職業的地位,給料,看護管理,医師と看護師間の関係,看護師間相互の影響,専門職としての自律性,看護業務),「主観的幸福感」,職業性ストレス調査票の下位尺度「職場の社会的支援」とその構成要素(上司からの支援,同僚からの支援),「ソーシャルサポート」,「精神的健康度」であった。WLBの満足感は,「WLBに満足していますか」という質問で,「満足している」「満足していない」という回答で測定できることが明らかになった。これらの結果は,WLBに満足するためには,運動習慣をもつこと,家族とのコミュニケーションをとること,ロールモデルを持つこと,キャリアプランを実施すること,社会資源を利用することが必要であることが示唆された。また,看護管理者は,職場の社会的支援や職務満足度がWLBの満足感に影響していることを念頭におき,これらを支えていくことが必要であることが示唆された。