著者
土井 徹 林 武広
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.212-224, 2015 (Released:2016-02-24)
参考文献数
23
被引用文献数
1

The purpose of this study is to reveal how alien species are dealt with in textbooks about living environment studies, science, and biology from elementary to high school. From an analysis of students’ responses in lessons about alien species, possibilities and points to be noted for executing science lessons about biodiversity in elementary school were also examined. As a result, the following three points were identified.(1) The textbooks checked in this study have a total of 126 kinds of alien species, of which 10 are alien invasive species, and 23 are careful invasive species.(2) The textbooks have some description of how to cope with the problem of invasive species for most of alien invasive species; they also and have descriptons suggesting that their multiplication and release are encouraged, wheras there is little description about careful invasive species. (3)There are lessons that we had suggested to the students for proper understanding of alien species, indicating that lessons that encourage understanding of alien species in elementary school are possible. We have to examine opportunities and contents for doing so.
著者
鈴木 康宏 土井 徹
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.114-129, 2015-07-31

未就学児の子どもがいる女性看護師と未就学児の子どもがいる一般就労女性のワーク・ファミリー・コンフリクト(以下:WFC)を比較するために,質問紙を用いて仕事と生活の実情ならびにコンフリクトの強さを調べた。未就学児の子どもがいる働く女性を対象とするため,子どもを保育施設に預けている働く女性に限定し,調査対象者を次のように設定した。女性看護師は病院付属の保育施設を利用する女性看護師6施設計236名,一般就労女性は一般保育園を利用する働く女性2施設計263名を対象に調査を行った。両群にWFCの強さを測定するWFCS日本語版を含めた自記式質問紙調査を行った。分析にあたり両群ともに夫と同居していない者を除外し,さらに一般就労女性では医療職の者を除外した。2群の属性とWFC得点の関連を,統計的手法を用い分析した。回収は女性看護師136名(回収率57.6%),一般就労女性170名(回収率64.6%)であり,そのうち分析には女性看護師125名,一般就労女性122名を使用した。WFC得点の中央値は女性看護師が52,一般就労女性が45であり,マン・ホイットニーのU検定の結果,p=0.000となり,2群のWFC得点に違いがあることが認められ,平均ランクは女性看護師の方が高く,女性看護師の方がWFC得点が高いことを示していた。また,WFC得点の中央値より低い値を1(コンフリクトが小),高い値を0(コンフリクトが大)としたロジスティック回帰分析の結果,p<0.05となり有意であることが認められた要因は女性看護師では正職員に比べパート勤務でオッズ比が3.8,時短勤務で6.8,また夫との会話時間が大の場合のオッズ比は1.6であった。看護師では負担の少ない勤務形態と,夫との会話時間の増大がWFC得点の低減に関連していた。一般就労女性では有意であることが認められた要因はみられなかった。女性看護師は一般就労女性に比べて残業時間が多く,夜勤もあり,WFCを生じやすい。そのため,パートタイムや時短勤務はWFCを回避する勤務形態と考えられる。また夫とのコミュニケーションの機会の増加がWFCの低減に関連していたことが注目された。
著者
土井 徹平
出版者
社会経済史学会
雑誌
社會經濟史學 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.3-20, 2010-05-25

本稿では,足尾銅山と尾去沢(おさりざわ)鉱山を対象として,1900年代から1910年代における鉱業の労働市場と雇用の特質について考察した。近代の鉱山には,「坑夫」(採鉱夫・支柱夫)の同職集団である「友子(ともこ)」が存在しており,坑夫は友子を通じて同職者の「渡り」(鉱山間での移動)を保障するとともに就職の斡旋を行った。また友子は,内部で技能伝承を行うことで,市場に対し熟練労働力を供給する役割を果たしていた。したがって近代の鉱業の雇用あるいは労働市場の特質を明らかにするためには,友子を介した雇用の実態を解明する必要がある。しかし友子と雇用との関係については研究の蓄積がなく,友子の発達が労働市場に及ぼした影響についても,はっきりした結論が得られていない。このことをふまえ本稿では,友子の運営資料を用いることで,鉱山の雇用の実態を分析した。そして,友子を介した「渡り」や技能伝承の結果,近代の鉱山では労働力の需給バランスが保たれていたこと,そして市場構造に地域的な差異があったことを明らかにした。