著者
藤野 美海 汪 光熙 冨永 達
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.32-37, 2016 (Released:2016-05-07)
参考文献数
28
著者
冨永 達
出版者
一般社団法人 植物化学調節学会
雑誌
植物の生長調節 (ISSN:13465406)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.65-67, 2016 (Released:2017-02-15)
参考文献数
16

Glyphosate is the most widely used herbicide in the world. Resistance to the herbicide in weeds leads to severe yield losses for crop. The resistance to glyphosate of amaranth is due to two mechanisms: target site resistance conferred by amino acid change in a target enzyme or overexpression of a target enzyme, and non-target site resistance conferred by changes in sequestration and/or translocation of the herbicide. Various kinds of weed seeds have been introduced as contaminants in imported grains and some of them are resistant to herbicide. The monitoring of the spread of resistant genes is necessary. Plant hormones that control sexual reproduction will be one of the powerful candidates to control weeds.
著者
田中 聡 三浦 励一 冨永 達
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.7-16, 2008 (Released:2009-03-31)
参考文献数
46
被引用文献数
2 2

都市内の公園などの公共用芝地に出現する草種と土壌要因との関連の基礎的知見を得ることを目的として,京都市内の公共用芝地80地点において植生調査および土壌調査をおこなった。土壌要因として,土壌水分含量,土壌硬度,土壌pH,全窒素,可給態リン酸,各種水溶性イオン(硝酸イオン,リン酸イオン,硫酸イオン,カルシウムイオン,カリウムイオンおよびナトリウムイオン)および活性アルミニウムを分析した。植生データの解析は5月に調査した13地点分(春期)および8,9月に調査した22地点分(夏期)についておこなった。春期には38草種が出現し,スズメノカタビラおよびシロツメクサの出現頻度が高かった。正準対応分析(CCA)の結果,草種の分布は土壌硬度,土壌含水率,水溶性イオン(硫酸,リン酸およびカリウム)との対応関係が強かった。夏期には52草種が出現し,アキメヒシバおよびメヒシバの出現頻度が高かった。CCAの結果,草種の分布は土壌要因との対応関係が明瞭ではなかった。除歪対応分析(DCA)の結果,芝地の衰退に複数の要因の存在が示唆された。
著者
安部井 誠人 冨永 達郎 池田 和穂 丸山 常彦 小田 竜也 轟 健 正田 純一 松崎 靖司 田中 直見
出版者
Japan Biliary Association
雑誌
胆道 = Journal of Japan Biliary Association (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.73-78, 2002-03-25
参考文献数
20
被引用文献数
1

症例は85歳, 女性. 発熱と右悸肋部痛のため, 本院に緊急入院となった. 腹部超音波およびCT検査にて,胆嚢は15mmを越える大胆石6個以上の充満と胆嚢管への嵌頓が認められ,急性胆嚢炎と診断された.洞不全症候群,糖尿病,糖尿病性腎症,慢性気管支炎等,複数の重度合併症を持つ高齢者であり,手術には危険が予想されたこと,石灰化のないコレステロール石であること,PTGBDチューブが挿入され胆嚢炎が軽快したこと等の理由より,胆嚢結石の治療としてMTBEによる直接溶解療法を試みた.その結果,計28時間の治療により完全溶解が得られた.MTBE直接溶解療法は,手術リスクの高い急性胆嚢炎合併コレステロール石例に対して,PTGBDによる炎症改善後に考慮すべき治療法と考えられた.
著者
冨永 達
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.36-40, 2007-03-30
著者
冨永 達 小林 央往 植木 邦和
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.273-279, 1989-12-25
被引用文献数
1

チガヤ(Imperata cylindrica var. koenigii)は防除が困難なイネ科の多年生雑草である。本研究では和歌山県紀伊大島におけるチガヤの集団間および集団内変異を明らかにしようとした。 紀伊大島内の路傍、放棄畑、果樹園、芝地および海岸前線砂丘のチガヤ11集団(Fig.1)について、1982年から1984年にかけて自生地における結実率を調査した。また、11集団から5クローンずつ、1クローンあたり5ラミートを任意に選び、1983年6月10日に直径20cm、深さ19cmの素焼鉢に1ラミートずつ移植した。11月上旬に植物体を掘り取り、草丈、分株数、根茎数、根茎の直径および長さ、器官別乾物重を測定した。また、琶穎の長さ、菊の大きさ、自殖率および100粒重も調査した。移植実験は京都大学農学部附属亜熱帯植物実験所(紀伊大島)で行った。 自生地における結実率は、集団および年次の違いにより大きく異なった(Table 3)。海岸前線砂丘のチガヤは、花粉粒がほとんど認められず、雄性不稔であり、その結実率は、0.46%以下と著しく低かった。他の10集団では、菊の形状や花粉稔性に異常は認められず、1.05%から59.07%におよぶ結実率の幅広い変異は集団の大きさや出穂個体の密度によるものと推察された。また、移植実験におけるクローンの自殖率は0.35%以下であり、100粒重は11.07〜13.15mgであった(Table 4)。草丈、全乾重、分株数、総根茎長、根茎の単位長さ当りの重さ、菊の幅および根茎への乾物分配率について分散分析を行った結果、集団間には有意な差異が認められたが、集団内クローン間には有意な差異は認められなかった(Table 1)。この結果から、集団間にはこれらの形質について差異が存在するが、集団内では変異が少ないことが推定された。 海岸前線砂丘由来のクローンでは、他の生育地由来のクローンと比較して、分株数、根茎数および総根茎長が大であり、集団内のクローン間変異は小さかった(Table 2)。また、琶頼長と各クローンの採集地から海岸までの距離との間には、有意な負の相関が認められ、海岸前線砂丘由来のクローンの菅穎は著しく長かった(Fig.2)。
著者
冨永 達
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.36-40, 2007 (Released:2007-11-27)
参考文献数
18
被引用文献数
3 2
著者
冨永 達 小林 央往 植木 邦和
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.204-209, 1989-10-30
被引用文献数
2

チガヤ(Imperata cylindrica var. koenigii)は、防除が極めて困難な、世界の熱帯から温帯に広く分布するイネ科の多年生雑草である。チガヤが密生している草地の現存量の季節変化を調査し、あわせてチガヤの主な繁殖器官である根茎の水平および垂直分布を調査した。 1980年6月14日から1981年5月18日に和歌山県西牟婁郡串本町紀伊大島にみられるほぽ全域をチガヤに被われた放棄畑(北緯33°28'、東経135°50'、標高約50m)において(Fig.1)調査を行った。50×50cm^2のコドラート3個を調査地に設け、ほぼ1か月ごとに出現種および被度を調査した後、地上部を地上から10cmごとに層別に刈り取り、器官別に乾物重を測定した。地上部を刈り取った後、チガヤの根茎の水平および垂直分布を調査した。 調査地ではチガヤが密に分布していたが、分布様式は一様でなかった(Fig.2)。チガヤの他にススキ、スイバ、ワラビなど31種の生育が確認された。チガヤの被度は1年を通じて76%以上であったが、その他の種の被度は10%以下であり(Fig.3)、個体数も少なかった。チガヤは速やかに生長し、調査開始時には既に草丈が89.7cmに達し、草冠を被っていた(Fig.4)。チガヤ、ススキ、ヘクソカズラ、スイカズラおよびハスノハカズラ以外の種は下層に位置していた。2月にはチガヤの地上部はほとんど枯死したが、枯死葉は、脱落せず、枯死した状態で残存していた。調査地の地上部最大現存量は1月に883 g/m里を示し、チガヤはそのうちの87.4%を占めた。チガヤの主な繁殖器官である根茎は複雑に分枝していた(Fig.6)。根茎は、深さ10cmまでに全量の約80%が分布し、深いものでは30cmに達していた(Fig.4)。根茎の現存量は年間を通じ全器官の40〜50%を占め、その最大値は地上部の現存量が最大となる時期から約1か月遅れた2月に653 g/m王を示した(Fig.5)。 複雑に分枝した根茎が地中深くまで分布し、多量の同化産物を蓄積していることがチガヤの防除を困難にしている要因であると推定された。
著者
冨永 達 小林 央往 植木 邦和
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.164-171, 1989-10-31
被引用文献数
9

チガヤ(Imperata cylindrica (L.) BEAUV.)は,世界の熱帯から温帯にかけて広く分布するイネ科の多年生草本で,家畜の飼料として利用されている。本研究はチガヤの日本列島における形態および生活史に関する地理的変異を明らかにしようとしたものである。北海道から沖縄県に至る各地で1983年までに採集し,系統維持していた402クローンを1985年から同一条件下で栽培し,稈の節毛の有無および生活史について調査した。このうちの52クローンについては,1クローンにつき5ラミートを8号素焼鉢(直径20cm,深さ19cm,容積約6000cm^3)に移植し,乾物生産量を調査した。栽培実験は京都大学農学部附属亜熱帯植物実験所(和歌山県串本町)において行った。調査した402クローンは,稈の節毛の有無により,2変種に分類された。無毛のvar.genuinaに属するクローンの分布は,北海道,東北北部および福島,群馬,長野各県の高地に限定され,紀伊大島での出穂は極めて早く,草型は小型であった。一方,有毛のvar.hoenigiiに属するクローンは,東北南部以南に分布し,生活史に基づいてさらに2群に類別された。すなわち,奄美大島以南から採集したクローンは5月から10月にかけて断続的に出穂し,冬期も枯死しなかったのに対し,東北南部から九州にかけて採集したクローンは年に一度だけ5月に出穂し,冬期には休眠状態に入った。また,一般に植物体の大きさや生活史に関して採集地の緯度に伴うクラインが認められ,北方産のクローンほど植物体が小型で遅く出芽し,出穂は早く,地上部が早く枯死した。これらの結果は主として採集地の気候要因,特に冬期の温度の差異に起因するものと推定された。