著者
金村 在哲 西川 哲夫 松原 伸明 日野 高睦 冨田 佳孝 三谷 誠 原田 俊彦 井口 哲弘
出版者
医学書院
雑誌
臨床整形外科 (ISSN:05570433)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.211-214, 2000-02-25

抄録: 潰瘍性大腸炎に破壊性の股関節炎を合併した1例を経験した.症例は33歳の女性で,12歳時より腹痛と下痢を主訴に潰瘍性大腸炎の診断にて加療を受けていたが,翌年より腹部症状の増悪時には膝,肘および股関節の移動性,一過性の疼痛を自覚していた.31歳時より右股関節痛が増強し,保存的治療を受けたが症状の軽快はなく,X線像上も関節破壊の進行を認めたため,右股関節に対して双極性人工骨頭置換術を施行した.術後経過は良好で疼痛は消失している. 潰瘍性大腸炎では種々の腸管外合併症が認められているが,その中でも脊椎および関節症状は血清反応陰性脊椎関節症の範疇に属している.その特徴は急性に発症し,一過性,移動性に生じるびらん性変化を伴わない非破壊性の関節炎とされている.自験例では破壊性の股関節炎を合併し,観血的治療にまで至った稀な1例であり,人工骨頭置換術を施行し良好な結果を得た.
著者
太田 啓介 冨田 佳孝 高木 翔太 中村 貴久 中島 進
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.22-00236, 2023 (Released:2023-03-20)
参考文献数
13

流動化処理土は,従来より土木材料として幅広く使用されているが,鉄道盛土としては列車荷重の繰返し作用に対する累積変形特性や乾燥に対する長期的な安定性が明確になっておらず,限られた箇所での適用となっている.本研究では,列車荷重作用下での流動化処理土について,保護層を設けた盛土の提案構造における変形特性,施工時の転圧荷重の影響,保護層の乾燥対策効果について検討を行った.その結果,細粒分質砂を母材とした流動化処理土について,本提案構造において,流動化処理土への作用応力を応力比で 0.15 以下,かつ処理土密度を 1.60 kg/cm3以上とすることで,列車荷重の繰返し作用に耐えうる盛土となること,若材齢時であっても転圧荷重が強度発現を阻害することはないこと,粒調砕石による保護層を施すことで乾燥を防止できることを把握した.