著者
前島 美保
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究は、江戸時代の上方歌舞伎における音楽演出がどのように組み立てられていたかについて、台帳(台本)に基づき明らかにすることをめざしたものである。『歌舞伎台帳集成』を典拠に音楽演出(囃子名目等)を抽出・リスト化する作業を経てわかってきたことは、囃子名目の初出を遡る例や従前には知られていなかった演出技法など、極めて豊富かつ具体的な用例の数々である。本研究で得た基礎データの慎重な分析と解釈が、今後の課題となる。