著者
津崎 実 入野 俊夫 堀川 順生 宮崎 謙一 牧 勝弘 竹島 千尋 大串 健吾 加藤 宏明 倉片 憲治 松井 淑恵
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-05-31

本研究は加齢による「聴力」の変化について知覚・生理現象観察と計算モデルを構築を目的とした。従来ほとんど関心を集めていなかった加齢性ピッチ・シフト現象について,十分な数の幅広い年齢層の聴取者を用いて,その現象が確実に生じることを突きとめ,さらに同じ聴取者に対する聴力検査,耳音響放射検査,脳波の周波数追随反応との相関分析を実施した。並行実施した非線形圧縮特性,聴神経の位相固定性などへの加齢による変容の基礎検討を通して,ピッチ・シフトはこれらの要因の変容によっては説明困難であること示し,新規の聴覚モデルの提案に至った。
著者
中町 剛
出版者
京都市立芸術大学
巻号頁・発行日
2018-03-23

平成29年度
著者
丹羽 幸江
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

神社などで奏上される祝詞は、かつて音楽として歌われており、歌の原型となったと考えられてきたが、どのような音楽であったかはわかっていなかった。また祝詞が楽譜によって記されることがないことから、音楽史の中でも扱われることはなかった。ところが近年、近世初期の吉田神道における祝詞の楽譜が発見され、にわかに祝詞が音楽として研究されるべき端緒が開かれた。本研究は、過去の祝詞の楽譜を調査解読するとともに、現在、神社神道以外で伝承がなされるさまざまな祝詞の演唱や楽譜を分析することで、かつての祝詞が平家や能楽などのような語り物音楽的な特徴をもち、言葉を明確に伝えようとするタイプの音楽であったことを明らかにした。
著者
石原 友明 建畠 晢 佐藤 知久 砂山 太一 石谷 治寛
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、芸術のデジタル・アーカイブに関して、さまざまな特定の機関や部局が全データを統御する集中管理型モデルではなく、各大学や機関・専攻等の個々のエージェントが資料を個々に管理しながら、そこで生成される芸術資源を横断的に活用しうるような「分散型芸術資源アーカイブ」の可能性を探究するものである。具体的には、理論的・技術的検討をもとに、ブロックチェーン技術を活用した分散型芸術資源アーカイブの実装と検証実験と、アーカイブの持続的成長に必要な人的・組織的なエコシステムに関する実践的検討を行うことによって、諸機関の独立性を維持しつつ成長する、来るべき芸術資源アーカイブの可能性を展望する。
著者
龍村 あや子 谷 正人 マーマット ウメル 小柴 はるみ 屋山 久美子
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は新疆ウイグル自治区のウイグル人作曲家、ウメル・マーマットを主たるインフォーマントとして、比較文化・文明の観点から中央・西アジア音楽研究に携わってきた研究代表者(龍村)が、トルコ(小柴はるみ)、イラン(谷正人)、アラブ(屋山久美子)の音楽研究者と共に、トルコ語系民族のウイグルと他の中央・西アジア地域の音楽との比較を行ったものである。今日の伝承におけるウイグルの「ムカーム」は、他の地域の伝統よりも固定性が強く、各ムカームが固有の旋法のみならず、固有のリズムと舞踊の様式を持っている。ムカームに基づく一人の奏者の即興演奏も見られるが、音楽・舞踊の一体化した全体が一つのムカームの表現なのである。
著者
高橋 悟 佐藤 知久 牧口 千夏
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究「感覚のアーキペラゴ:脱(健常)の芸術とその記録法」は、障害という言葉を割り当てられた創造行為について、健常者を中心に構築されてきた知覚・表現論理や個人・表現・受容者を前提とした従来の芸術論による評価とは異なる視点からのアプローチを目指したものである。方法としては、長年に渡り障害を有した人々の潜在的な可能性をアートを媒介にし、自由な手法で支援しつづけている一般財団法人たんぽぽの家(奈良)での実践的フィールドワークと創作過程の行為分析を中心に進めた。研究の方法としては、「関係的な領野の記述」と「創作としての新たな展示モデル」という2つのテーマを設定し、それらに対応するチーム編成により具体的な作業をすすめていった。具体的には、(1)集団の身体をテーマにしたワークショップから他を排除しない集団行為としてのアホーダンスの考案(2)集団コミュニケーションのワークショップから複数の身体、リズム、音によるラップの実験的な公演。(3)上記2つのワークショップの映像メディアによる実験的な記録である。これらは完成された作品(Art-Works)を現場の文脈と分断して記録・展示するという従来の手法ではなく、生の環境を多感覚的に捉える記録方法や関係的な領野の記述を含む(Art-Documentation)としての試行である。以上のように本年度は、作品という完結したモノの分析からではなく、モノ、集団、環境など活動の現場での相互行為や創作のプロセスに着目した分析を中心に研究を進めた。
著者
大串 健吾
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

ストループ効果とは、色と文字の意味が一致していないカラーワードに対して、被験者に色の反応を求めたとき、色と文字の認知の間に干渉が生じ、反応時間が増大するという視覚心理学の分野における効果である。この研究の目的は、「色」と「文字の意味」に対して、絶対音感保有者の認知する歌声の「音高(音名)」と「意味(単語)」を対応させ、聴覚の分野においても視覚におけるストループ効果と同様の効果が生じるかどうかを調べることである。音声刺激としては歌手に1オクターブ内のハ長調のド音からシ音までの音高をもつ7音をそれぞれ、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、という単語(発音)で発声してもらったものを用いた。被験者は絶対音感を保有している音楽専攻学生である。実験方法としては、被験者は音声刺激を聴取し、できるだけ速く音刺激の音高を口頭で答えた(音高反応)。音声刺激の始めから口頭反応の始めまでの反応時間(RT)を測定した。次に、音名にかかわらず、発声した単語をそのまま答えさせる実験(単語反応)も行った。実験結果のうち、音高反応に関しては、すべての被験者について、音声刺激の音名と発声した単語の一致した条件における反応時間RTsは異なった条件における反応時間RTdよりも有意に短かかった。単語反応についてもほとんどの被験者について、RTs<RTdとなったが、全体的には有意差はなかった。なおこの研究は、平成11年9月に日本音響学会、11月に日本音楽知覚認知学会のそれぞれの研究発表会で発表した。さらに平成12年8月に英国で開催される第6回音楽知覚認知国際会議において発表する。
著者
山田 陽一 諏訪 淳一郎
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、ヴァヌアツ共和国とソロモン諸島を主たる調査地として、現地におけるエスノ・ポップ(民族性を表象する大衆音楽)の形成過程の解明を試みた。その結果、ヴァヌアツ共和国では、1930 年代末期から現在に至るストリングバンド音楽の活発な展開が明らかにされ、他方ソロモン諸島では、かつて主流であったストリングバンド音楽とバンブーバンド音楽が衰退し、音楽の中心が電気・電子楽器を用いたレゲエバンドに移行した状況が明らかとなった。
著者
安東 智香
出版者
京都市立芸術大学
巻号頁・発行日
2016-03-23

平成27年度
著者
津崎 実 川上 央
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

次元コンピュータ・グラフィックスでの人体モデルに人間らしい動作をつける際に,モーションキャプチャーシステムを使う場合には測定上の誤差に対する後処理的な修正が必要となることが多い。本報告ではダンス動作をキャプチャーした際の誤差修正の手段として,足先の接地状態を補助的な視覚映像に基づいて施すことの効果について,バイオロジカル・モーション刺激を用いた対比較による強制選択法による知覚評価実験と,fMRIによる脳活動計測を実施した。その結果として,修正による変化は確実に存在し,修正版を良いと判断した評価者がいる一方で,修正版は躍動感という点においては無修正版よりも低下することを示唆する結果を得た。
著者
金 俊成
出版者
京都市立芸術大学
巻号頁・発行日
2018-03-23

平成29年度
著者
松尾 芳樹
出版者
京都市立芸術大学
巻号頁・発行日
2015

元資料の権利情報 : CC BY-NC-ND