著者
前川 京子 佐井 君江
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.669-673, 2014 (Released:2016-09-17)
参考文献数
17
被引用文献数
1

医薬品開発においては,副作用発現や有効性の変動要因となり得る薬物相互作用の有無について,適正に試験し評価することが求められている.近年,薬物代謝酵素のみならずトランスポーターに関する研究の進展に伴い,被験薬の薬物動態に対する,これらの分子の影響を定量的に評価するための検討方法を提示した薬物相互作用ガイドラインの改定が欧州,米国および我が国の規制当局で進められている.一方,薬物動態関連分子の中には,活性変化をもたらす遺伝子多型が存在し,患者の遺伝的要因が薬物相互作用を増強する事例も報告されている.さらに一部の遺伝子多型には,その頻度に大きな人種差・民族差が認められることから,今後加速する医薬品の国際共同開発においても,特に遺伝子多型の人種差を考慮した適正な薬物相互作用の評価が重要となる.本稿では,人種差が注目されている薬物動態関連分子の遺伝子多型を取り上げ,これらの薬物相互作用への影響について事例を含めて概説する.