著者
前田 兼徳 安部 貴之 鶴田 耕一郎 今田 真里 前田 由紀
出版者
一般社団法人 日本在宅血液透析学会
雑誌
日本在宅血液透析学会誌 (ISSN:24352519)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.11-18, 2023-04-20 (Released:2023-04-20)
参考文献数
11

血液透析患者にとって透析液の清浄化が必須であることは言うまでもないが,透析排水の水質管理も同じく重要な問題である.透析排水をそのまま公共用水域に放流すれば,環境負荷が懸念される.本稿では施設透析における透析排水についての一般的な考え方と法律上の規制について述べる.さらに在宅血液透析(Home Hemodialysis:HHD)における透析排水管理の重要性と問題点について述べる.HHDは長時間透析,頻回透析を可能にし,末期腎不全患者にとって有益な血液浄化療法の一つである.患者にとって利点の多いHHDを円滑に導入するためには,排水処理対策は不可欠である.HHDの普及のためには,地域や行政との綿密な連携が求められている.HHDについての社会への理解と環境が整えられていくことにより,多くの患者のQOLの向上に期待したい.
著者
前田 由紀子 立石 和子 谷岸 悦子 松林 太朗
出版者
西南女学院大学
雑誌
西南女学院大学紀要 (ISSN:13426354)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.11-21, 2018-03-01

【目的】本研究は、精神科に勤務する看護師が認定看護師の資格を取得する過程とその後の経験を明らかにすることを目的とする。【方法】精神科病棟に勤務する認定看護師7 名を対象とし、個別に半構成的面接を実施した。精神科を選択した理由、認定看護師課程を受講した理由と過程、資格取得後の経験についての語りをデータとし、質的帰納的に分析した。【結果】精神科認定看護師を目指した理由は、<専門性の向上><精神科看護師としての自己の人生への問い><職場の改革><役割遂行の向上>の4 カテゴリーに分類された。認定後の経験は、<看護実践能力の向上><認定看護師としての役割遂行><実践におけるジレンマ><精神科認定看護師への評価の低さ>の4 カテゴリーが抽出された。【考察】資格取得の過程は、組織的な目標管理の下ではなく、個々の問題意識からキャリアアップを目指すという特徴があり、認定後の活動への影響が考えられる。組織における精神科認定看護師への理解や活動への支援により更なる活動実績が期待される。